勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ:カナダ経済ニュース > カナダ経済ニュース時報

    テイカカズラ
       

    カナダの鉱山企業アクララ・リソーシズは、2028年にも中国企業に頼らないレアアース(希土類)の供給体制を整える。ブラジルやチリの鉱山を使い、米国で使う電気自動車(EV)の磁石材料で約半分を賄う方針だ。日本企業にも販売する。この精錬法は、化学的精錬法である。日本が世界で最初に開発した分野だ。中国も、化学的精錬法もどきを採用しているが、精錬過程が粗く環境を破壊していることから、「ESG基準」に合致せず「自滅危機」に陥っている。

     

    『日本経済新聞 電子版』(6月3日付)は、「カナダ鉱山大手、レアアース供給「脱中国」 28年にも 分離・精製技術を確立へ」と題する記事を掲載した。

     

    カナダの鉱山企業アクララ・リソーシズは2028年にも中国企業に頼らないレアアース(希土類)の供給体制を整える。ブラジルやチリの鉱山を使い、米国で使う電気自動車(EV)の磁石材料で約半分を賄う方針だ。日本企業にも販売する。

     

    (1)「レアアースは採掘後に不純物を分離したり精製したりする工程で知見を持つ中国企業に委託するケースが多かった。アクララは米バージニア工科大学などと連携して独自に分離・精製技術を確立する。ブラジルの鉱山開発と米国などの技術を組み合わせ、中国に依存しない供給網の構築を狙う。既に分離プラントの実証実験を始めている。ホセ・アウグスト・パルマ副社長は日本経済新聞の取材に対し「商業プラントの稼働は28年までに予定している」と述べた」

     

    アクララは、化学的精錬法に成功した。日本が先行している。これまでに日本の他にフランス(日本が支援)と今回のカナダも成功した。こうして、化学的精錬法が主流になる。中国も化学的精錬法なるもので操業しているが、精錬過程が粗く環境破壊を引き起している。日本の化学的精錬法が世界基準になれば、中国方式は排除される。

     

    (2)「稼働すれば、ネオジムやプラセオジムなどの磁石用レアアースを中心に、24年の中国の生産実績の13~15%程度に相当する量を供給できるという。「米国のEV需要の半分を賄える量に相当する」(パルマ氏)とし、有力な代替供給源になるという。販売相手として米ゼネラル・モーターズ(GM)や韓国・現代自動車、トヨタ自動車など世界の自動車メーカーとの取引を視野に入れる。パルマ氏は磁石分野を軸に「日本の顧客と幅広く連携したい」と述べた。磁石材料で強みを持つ日本の素材メーカーとは複数回協議し、実証プラントの見学なども進めているという」

     

    アクララは、28年から操業に入る見込みである。24年の中国の生産実績の13~15%程度に相当する量を供給できる。世界の需給はかなり緩んでくる。

     

    (3)「ブラジル以外でもチリでは先行して6月にも環境許可が取得できるとの見通しだ。技術検証や採算性の調査も進めており、2つの鉱山で28年の商業生産開始を見込む。ブラジルはレアアースの埋蔵量が世界の2割を占めて2位とされ、供給リスクの高まりを背景に世界で注目が集まっている。24年に国内初の大規模鉱山が商業生産を始めるなど生産が立ち上がりつつあり、政府も支援し開発が加速している」

     

    アクララは、ブラジル以外にチリでも開発許可を取得した。2つの鉱山で、28年の商業生産開始を見込んでいる。

     

    (4)「ブラジルのレアアースを巡っては、米国を筆頭にインドや欧州連合(EU)など各国が供給網の多角化に向け関与を強めている。中国依存を減らす動きが広がるなか、ブラジル資源を巡る国際競争が激しくなっている。日本政府系のエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)も3月、アクララの鉱山があるブラジルのゴイアス州政府当局と覚書を交わした。レアアースの安定調達に向けた協力関係の構築を進める」

    フォームの始まり

    フォームの終わり

     

    エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)も3月、ブラジルのゴイアス州政府当局と覚書を交わした。JOGMECが、日本企業の投資を後押しすることになる。これまで、レアアースが中国の独占状態に置かれたが、新しい精錬法が着実に成果を上げている。中国が劣勢に立たされる局面だ。

     

     

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    カナダ次世代潜水艦プロジェクトは、最大60兆ウォン(約6兆4000億円)規模の受注で、韓国とドイツが「国家対抗戦」として取組んでいる。韓国は、この受注戦を有利に運ぶべく韓国とカナダ間で1万4000キロの潜行を行った。このニュースが、韓国では大きく報じられている。潜水艦は長時間、潜行することで能力の大小が判定されるものではない。最大のポイントは、海中で敵潜水艦に発見されず、先に探索する能力である。韓国潜水艦は、この面で日本の潜水艦には遠く及ばない。「静謐性」で劣るのだ。

     

    『中央日報』(5月25日付)は、「太極旗付けて太平洋1万4000キロ横断『60兆ウォン潜水艦大戦』に向け韓国が能力証明」

     

    23日(現地時間)、カナダ西部ビクトリアのエスキモールト基地の埠頭。水面に浮上した1隻の潜水艦がゆっくりと波を横切りながら入港した。艦橋塔に掲げられているのは太極旗(韓国国旗)だ。艦首には大韓民国海軍旗がはためいていた。1万4000キロ以上を航海してきた海軍潜水艦「島山安昌浩」番艦(SS-III、3000トン級)が、国産潜水艦の歴代最長航海記録を更新する瞬間だった。甲板に整列した乗組員はデイビッド・パッチェル・カナダ太平洋艦隊司令官とイム・ギモ駐カナダ大韓民国大使に敬礼した。

     

    (1)「今回の航海は、韓国が建造した「島山安昌浩(ドサン・アン・チャンホ)」が大韓民国の潜水艦史上初めて太平洋を横断したという事実以上の意味を持つ。最大60兆ウォン(約6兆3000億円)規模にのぼるカナダの次期潜水艦導入事業(CPSP)の優先交渉権者選定が迫る中、大洋戦も可能な長距離作戦能力を直接証明したからだ」

     

    カナダは、韓国とドイツに受注を競わせている。ドイツとカナダは、北大西洋条約機構(NATO)同盟国である。ドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)は、すでにNATOの在来式艦隊の約70%を供給している。全北(チョンブク)大学先端防衛産業学科のチャン・ウォンジュン教授は、「第2次世界大戦当時にUボートで始まったドイツの潜水艦産業は世界最高の能力を備えている。北海やバルト海などでの作戦経験が数十年間構築されている点が強み。カナダの立場では、安全面でドイツを選択するか、新たなダークホースである韓国を選択するかの問題」としている。


    カナダは、NATOの在来式艦隊の約70%を供給している、ドイツのTKMSを選択する可能性が高いとみられる。

     

    (2)「今年3月に「島山安昌浩」は鎮海(チンヘ)軍港を出発し、グアムとハワイを経由してカナダのビクトリアまで1万4000キロを安全に航海した。ディーゼル潜水艦でありながら潜航能力は原子力潜水艦にも引けを取らないという証拠だ。太平洋、大西洋、北極海などカナダ海軍が重視する作戦環境を考慮すると有利な要素だ。特にハワイを出港する際、カナダ海軍潜水艦司令部所属の乗組員2人が「島山安昌浩」に乗り、模擬戦時想定の状況下で戦術指揮統制自動化システム(C4I)を通じてカナダ太平洋艦隊司令部との交信に成功した。韓国の潜水艦が他国軍とC4Iシステムを動員して交信に成功したのは今回が初めてだ。隠密な潜水艦作戦においてこれは単なる通信以上の意味を持ち、相互運用性確保の観点で連合作戦をするうえで必要な核心的能力を証明したと評価できる」

     

    潜水艦は、潜航能力だけ問われるのではない。「音」(静謐性)が、最大のポイントになる。日本・米国・豪州の潜水艦は、中国潜水艦が出航した時点で捕捉できる能力を持つとされる。それは、中国潜水艦の発する「音」が大きいからだ。

     

    (3)「イ・ビョンイル艦長(大佐)は、「大韓民国の潜水艦で初めてとなる太平洋横断の成功は、荒れた大洋環境でも長期任務を遂行できるわが国の国産潜水艦の優れた性能と、世界的な技術力を証明した快挙」とし「カナダの乗組員と寝食を共にしながら両国海軍の強固な信頼を確認できただけに、残りの期間も現存最強のディーゼル潜水艦の優秀性を深く印象づけられるよう、与えられた任務を完璧に遂行する」と述べた。「島山安昌浩」と護衛艦「大田(テジョン)」(FFG、3100トン級)の公式入港歓迎行事は25日にカナダ海軍の主管で開催される」

     

    韓国潜水艦の最大の弱点は、「静粛性・音響・乗員練度」の3点とされている。潜水艦の本質は、「潜行距離」ではなく「音(静謐性)」にある。敵潜水艦に発見されない上で、最大の条件である。韓国は、静粛性で日本・ドイツに劣る。音響処理は、データ蓄積が少ない。乗員練度は、長期航海の経験不足が痛手だ。音紋データは、北極海のデータなし、などである。カナダはNATOの音響共同体に属しており、 音響性能が低い潜水艦は採用できない 韓国は、「音の世界」でNATO基準に達していないのだ。

     

     

     

    あじさいのたまご
       

    「セブン-イレブン」を展開しているセブン&アイ・ホールディングスに対し、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールが仕掛けた約6兆7700億円での買収提案は、ク社の提案撤回で突然の幕切れになった。真相は、セブンがク社へ逆出資を求める提案したことにある。ク社は、セブンに乗っ取られることに警戒したのであろう。セブンの逆襲が成功した形だ。

     

    『ブルームバーグ』(7月17日付)は、「世界のコンビニ好きに朗報、セブンは攻勢の時」と題するコラムを掲載した。

     

    コンビニファンが懸念していたのは、外国企業が株主価値の向上を追求するあまり、日本のコンビニ文化という世界的に高く評価されている顧客体験を壊してしまうのではないかということだった。

     

    (1)「クシュタールは日本時間17日朝、「誠実で建設的な協議」ができなかったため買収案を撤回したとする異例なほど手厳しい詳細な書簡を発表。その文面からは、当初から感じられた特権意識がにじみ出ている。あたかも棚から商品を手に取るように日本のライバル企業を買収できるとでも考えていたかのようだ。もっと準備が必要だったはずだ。セブン-イレブンは米国発祥だが、日本で最も愛されているブランドの一つであり、災害時のインフラとしても重要な役割を担っている」

     

    クシュタールの買収案撤回は、セブンを一方的に批判するものだった。ク社は、日本についての理解が浅かった。

     

    (2)「クシュタールが日本の大企業を買収するには準備不足だったことは、以下のようなコメントからも明らかだ。会議は、貴社のアドバイザーが表現したように、準備されたものを「読み上げた」だけのものでした。セブンイレブンチームの一部のメンバーの方には建設的に対応いただき、感謝いたしましたが、最終的に、この会議においては新たな情報をほとんど得ることはできませんでした。東京での会議も同様でした。会議は予定されていた時間の約半分の時間で閉会となり、台本を読み上げただけのものでした」

     

    セブンは、最初から乗り気でない合併話である。余計な情報を与えるはずがない。

     

    (3)「日本に多少なりともなじみがあれば、「読み上げ」に終始し、新たな情報が得られにくい、形式ばったミーティングがこの国では決して珍しくないと知っているはずだ。良くも悪くも、それが日本だ。そうしたことを理解せず、最初からつまずいたクシュタールが、セブン&アイが利益の半分以上を今なお国内で稼ぐ中で、セブン-イレブンの良き運営会社となれたとは思えない」

     

    合併に消極的である以上、セブンが形式ばったミーティングをするのは当然である。ク社が、そのガードを崩して質問すべきだったのだ。ク社の準備不足である。

     

    (4)「今回の買収頓挫について、日本のコーポレートガバナンス(企業統治)改革が後退したとか、失望を招くとか、過去への逆戻りといった論調が数多く出てくるだろう。だが、それらは無視して問題ない。改革は着実に進んでおり、日本の企業社会はこれまで以上に開かれている。政府の介入や「系列」による囲い込みがあったわけではない。ただ単に、良くない買収案だったというだけで、セブン&アイが断ったのではなく、クシュタールが一方的に手を引いたのだ」

     

    報道では、次にク社が強制的買収へ踏み切るのではないかという憶測も流れている。今回、一方的に話合いを打ち切ったのはク社だ。理屈が合わない話である。

     

    (5)「興味深いことに、セブン&アイが北米事業運営会社への出資を受け入れる代わりに、クシュタールへの出資を求めたことも明らかになった。クシュタールはこの対案を「統合事業の運営の見通しを損なう」として退けた。つまり、われわれはあなたを買えるが、あなたはわれわれを買えないというロジックだ。果たして、囲い込みをしていたのはどちらなのか」

     

    セブンは、クシュタールへの出資を求めたことがク社撤退の理由だ。ク社が、セブンに買われるリスクを察知したのだ。

     

    (6)「正式提案に至らなかった1株当たり2600円という買収提示額は、買収交渉の報道が最初に出た数カ月前の株価に対してわずか17%の上乗せに過ぎなかった。買収規模はクシュタールの時価総額に匹敵する水準で、膨大な借り入れが必要となる案件だった。また、日本の独占禁止法当局もしくは米国の反トラスト法当局によって却下される可能性も常にあった」

     

    今回の合併協議は、外為法の基準に抵触する恐れが十分あった。セブンが、金融機能や自治体業務の一端を担っていることだ。ク社は、この方面の調査もしていなかった。

     

    (7)「セブン&アイのより冷静な対応からは、同社がすでに次のステップを見据えていることがうかがえる。今年5月に社長に就任したスティーブン・デイカス氏は、日本人の母を持つ。父親が米セブン-レブン加盟店のオーナーで、10代の頃に父のコンビニを手伝っていたという経歴の持ち主だ。業界への理解は深い。デイカス氏は今、一息ついている場合ではない。フランチャイズ店のオーナーのように攻勢に出るべき時だ。セブン&アイは、クシュタールが買収に動いた背景にある株価低迷や資本効率の悪さという課題に真正面から取り組まなければならない」

     

    セブンは、ク社が買収提案を放棄したものの、課題は未解決である。高収益企業への体質転換が急がれる。

     

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    トランプ米大統領は4日夜(日本時間5日午前)、上下両院合同会議で施政方針の演説を行った。トランプ氏は、「関税は米国を再び豊かにし、再び偉大にするためのものだ。そして、それは実現しつつあり、すぐに実現するだろう」と発言した。一方では、「多少の混乱はあるだろうが、われわれはそれでOKだ。大したことではない」と語った。「何兆ドル」もの歳入をもたらし、自身が不公平と見なす貿易関係の是正につながるとしたのだ。

    トランプ氏は、施政方針で演説「大見得」を切ったが、現実の米国経済は逆方向へ動き始めている。トランプ関税が、「何兆ドルもの歳入」どころか、トランプ支持者である労働者や農民の頭上へ負担増になって襲いかかるのだ。近隣国カナダとメキシコへの関税25%が、米国民のエネルギー値上がりに跳ね返る。農民も肥料高と中国の農産物15%関税に悩まされる。

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(3月5日付)は、「トランプ関税 支持者を直撃」と題する社説を掲載した。

    ドナルド・トランプ氏は労働者階級の有権者に実質所得の引き上げを約束し、大統領に返り咲いた。それを踏まえると、同じ有権者層に打撃となる関税の導入にトランプ氏が熱心であることは一層不可解だ。


    (1)「関税は税金であり、トランプ氏の最新の関税は年約1500億ドル(約22兆5000億円)規模の増税に相当すると推定される。税金は成長を害する。これは、トランプ氏がカナダとメキシコからの輸入品に対する25%の追加関税を発動させたのを受けて、投資家が今週発しているメッセージだ。トランプ氏はまた、中国に対する追加関税率を10%上乗せし20%とした。カナダと中国は報復措置を打ち出し、メキシコは対抗措置を9日に公表する予定だ」

    トランプ氏は、関税を税収と間違えている。関税は、輸入価格が関税分高くなるので税金になる。この辺りを誤解しているのだ。シカゴやメキシコへの25%関税は、米国市民の生活必需品を直撃する。

    (2)「米小売り大手ターゲットのブライアン・コーネル最高経営責任者(CEO)は4日、CNBCの取材に対し、メキシコ産品に関税が課されることで、同社の果物や野菜の価格を上げざるを得なくなる可能性があると語った。米国で販売されている野菜および生鮮果物の約30%はメキシコから輸入されている。メキシコ産の「モデロ・エスペシアル」は米国で最も売れているビールだ」

    米国で販売されている野菜や生鮮果物の約30%は、メキシコ産である。これに、25%関税だ。即、値上がりになる。

    (3)「米家電量販店大手ベストバイのコリー・バリーCEOは4日、トランプ氏の関税によって「米国の消費者向け価格が上がる可能性が高い」と述べた。電子機器メーカーは北米自由貿易協定(NAFTA)と、それに取って代わった米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を活用するため、中国ではなくメキシコに工場を開設してきた。スマートテレビを買う予定がある人は要注意だ。価格が25%上昇する可能性がある」

    家電製品もメキシコ産に依存している。25%の値上がりになる。


    (4)「エネルギー価格も上昇するだろう。トランプ氏は暗にこのことを認めており、カナダから輸入するエネルギーについては関税を10%に下げた。米国ではシェールガス生産が盛んだが、パイプラインの輸送能力には限界があるため、中西部と北東部で使われる天然ガスはカナダに大きく依存している。つまり、トランプ氏の支持基盤の地で暖房費が上昇するということだ。電気料金も上がるだろう」

    エネルギーは、カナダからの輸入に依存している。これも、25%の値上がりになる。

    (5)「米国は毎月、カナダから平均で約3315ギガワット時の電力を輸入している。これは約370万世帯の電気を賄える量であり、北東部と中西部で電力網を安定させ、電力価格を下げるのに役立っている。エネルギーは、一次アルミニウム生産会社の費用の40%を占める。中西部では近年、エネルギー価格が上昇する中で、幾つかの鋳造所が閉鎖した。トランプ氏の関税はほかでもなく、彼が助けようとしていると主張する労働者たちを苦しめるだろう」

    カナダからの電気が25%値上がりすれば、一次アルミニウム生産会社はコスト高で倒産必至である。トランプ支持者の労働者が、不運にも解雇される運命だ。


    (6)「ガソリンスタンドでも痛みを感じることになる。米国は石油の純輸出国だが、依然として日量約650万バレルの原油を主にカナダとメキシコから輸入している。メキシコ湾岸と中西部の製油所では重質油を処理しているからだ。製油所を改良して米国のシェール層から採掘される軽質油を処理できるようにするためには、何十億ドルもの費用がかかる。(製油所がカナダ産原油に依存している)中西部のピックアップトラックの運転者が、最も大きな痛みを感じることになりそうだ」

    米国は、カナダとメキシコから日量約650万バレルの原油を輸入している。これも25%も値上がりになる。中西部のピックアップトラック運転者が、最も大きな痛みを感じるという。こうなると、トランプを支持して「大損」になる。

    (7)「米国の農家は既に、農作物価格の低迷とインフレに苦しめられている。米農業連合会(AFBF)によれば、農家は3年連続で赤字を強いられている。関税は農家の痛みを増幅させる。米国で肥料に使われるカリウムの85%はカナダから輸入されている。中国は米国から輸入する農産物に15%の関税を課すとしており、それによってブラジルとオーストラリアの農家がシェアを拡大することになる。AFBFのジッピー・デュバル会長は4日、「さらなるコスト増と米国産農産物のシェア縮小は、一部の農家に耐えられないほどの経済的負担を強いる恐れがある」と語った。トランプ氏の関税乱発は常識よりイデオロギーに基づいている。大統領が早く正気に戻ることを期待しよう」

    米国の農家は、肥料の原料カリウムの85%がカナダ依存である。中国は、米国産農産物へ15%関税を課す。米国の農家は、「最悪」事態へ陥る。トランプ支持で大損だ。




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    セブン&アイ・ホールディングス(HD)買収をめぐって、カナダのアリマンタシォン・クシュタール(ACT)の創業者アレイン・ブシャード氏(同社会長)とセブンイレブン創業家(伊藤家)が、対抗する構図になっている。一見、買収価格を巡る「競い合い」にみえるがそうではない。日本は、セブンイレブンが地域社会のインフラになっていることから、「共同社会を守れ」という意識になっている。これが、クシュタール側には理解されていない。ACTは、金銭で儲かれば良いという経済感覚で臨んでいる。

     

    『ブルームバーグ』(11月25日付)は、「セブンMBO助言役に創業家がSMBC日興 伊藤忠は大和証-関係者」と題する記事を掲載した。

     

    セブン&アイ・ホールディングス(HD)の創業家による同社への買収提案を巡り、財務アドバイザー(FA)として創業家側がSMBC日興証券、買収資金の出資を検討している伊藤忠商事が大和証券をそれぞれ選定したことが分かった。セブン&アイのFAは三菱UFJモルガン・スタンレー証券、買収提案の中身を検討するセブン&アイの特別委員会は野村証券をつけているという。

     

    (1)「別の関係者らによると、創業家と伊藤忠、大手3メガバンクは出資と銀行融資合わせて総額9兆円規模に上るMBO(経営者が参加する買収)の具体策に向けた検討に入っている。一方、セブンに買収提案を行っているカナダのアリマンタシォン・クシュタールはFAに米ゴールドマン・サックスを起用しており、ビッグディールを成功に導こうと日米の有力投資銀行がしのぎを削るかたちとなっている」

     

    ACTは、470億ドル(約7兆2400億円)の買収価格を提案している。伊藤家のMBOでは9兆円を提示している。この巨額提案の裏には、日米の名だたる投資銀行が参加している。それだけに、投資銀行間の力の振るいどころでもある。

     

    (2)「創業家による買収提案の課題は、巨額の買収資金が集まるかどうかだ。三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行の3メガバンクが最大6兆円規模の融資を検討している。関係者によると、そのほかに出資金の確保を目指して創業家や伊藤忠のFAを務めるSMBC日興や大和証が、一部投資ファンドに優先株などの資本性資金の拠出を打診している。巨額すぎる融資は、銀行のリスクにもなり得るため、出資を募って資本を厚くすることが重要となるためだ」

     

    日本は、3メガバンクが最大6兆円規模の融資を検討しているという。これに、伊藤忠商事も出資先候補として名が上がっている。伊藤忠は、絶好のビジネスチャンス到来である。日本を代表する総合商社の一角として、メンツにかけても負けられる一戦であろう。日本側は、総力戦になった。

     

    (3)「セブン&アイには現在、法的拘束力のない2つの買収提案が提示されたことになる。創業家からとクシュタールからだ。今後の焦点は、どちらがセブン&アイの魅力的な成長戦略を提示できるかに移る。クシュタールのアレックス・ミラー社長最高経営責任者(CEO)は10月のインタビューで、「当社が掲げるビジョンは、モビリティと利便性の提供という分野で世界のトップランナーになることだ」と述べた。2社の統合が、その実現に向けた大きな一歩となるとしているが、具体的な道筋や手法は未知数だ。一方、創業家の成長戦略もまだ明らかになっていない。

     

    ACTの歴史は、M&Aで事業を拡大してきた。「他人の褌で相撲を取る」タイプだ。今度はセブンを「栄養剤」にする計画である。まさに、乗っ取りを目指している。セブン側が対抗するのは当然であろう。

     

    (4)「2つの買収提案は、セブン&アイの特別委員会が内容を精査している。13日に創業家によるMBO案に関する報道を受けてセブン&アイが開示した発表文で、特別委のスティーブン・デイカス委員長は「価値最大化に向けて各関係者との対話を継続する」とコメントした」

     

    ACTは、敵対的買収を行わないと言明している。これに失敗すれば、セブンとの関係は永遠に厳しくなるからだ。それだけに慎重である。M&Aの目的は、一般に株主利益の最大化にあるとされている。だが、日本ではそういう金銭価値が最上位におかれていない。セブンが、外為法で指定された「コア業種」になっていることで理解できる。インフラになっているからだ。ACTが、この壁を乗り越えることはむずかしいであろう。

     

     

     

     

     

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