米国防総省は18日、ウクライナの首都キーウへのロシア軍のミサイル集中攻撃で損傷した米国製地対空防空システム「パトリオット」について、復旧したと明らかにした。同省のシン副報道官は「パトリオット1基が損傷したが、修復された。完全に復帰し運用可能な状態だ」と説明した。『CNN』(5月19日付)が報じた。
これを裏付けるように18日未明、ロシア軍がウクライナ全土へ19発のミサイルが撃ち込んだが、18発を撃墜している。「パトリオット」の修復の結果であろう。
『CNN』(5月18日付)は、「ウクライナ全土に空襲警報 ミサイル30発のうち29発を撃墜」と題する記事を掲載した。
ウクライナ当局は18日、全土規模で同日未明に空襲があり、首都キーウや他州で爆発音が響いたと報告した。空襲警報も全土で発令された。
(1)「キーウのクリチコ市長は、首都のドニプロウスキーなど複数の地区で爆発が発生したとSNS上で伝えた。同市の軍行政部門責任者によると、防空網が迎撃態勢を敷き、一部地区では飛行体などの残骸が落下して火災が発生した。死傷者の人数や有無、被害の程度を調べているとした。市民に対し空襲警報が終わるまで避難施設内にとどまるよう呼びかけた。中部ビンニツァ州でも防空部隊が応戦した。同州の軍行政部門責任者は「我々は今、敵による巡航ミサイルの新たな波状攻撃に遭っている」とSNSに書き込んだ。ウクライナ軍の南部作戦管区は南部オデーサ州の港湾都市オデーサの産業施設に18日未明、ロシア軍のミサイル1発が着弾し、1人が死亡、2人が負傷したことを明らかにした」
18未明のウクライナ全土へのミサイル攻撃では、南部オデーサ州の港湾都市オデーサの産業施設にミサイル1発が着弾し、1人が死亡、2人が負傷を負った。これ以外の地域では、すべてミサイルを撃墜している。
(2)「ウクライナ空軍はこの後、ロシア軍による17日夜からの一連の攻撃について撃ち込まれた巡航ミサイルは30発としてうち29発を無力化したとの声明をSNS上で発表。これら攻撃は数波にわたり、異なった方向から仕掛けられたとした。海上、空中や地上からの発射を組み合わせていたとも述べた。攻撃型ドローン(無人機)の2機と偵察用ドローンの2機も撃墜したとつけ加えた」
17日夜からウクライナ全土へミサイル30発が打ち込まれ。うち29発を撃墜した。「パトリオット」の一部損傷が修復した結果であろう。
『CNN』(5月19日付)は、「ゼレンスキー氏、『攻撃旅団が準備中』 詳細は示さず」と題する記事を掲載した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、ウクライナ軍の上級指揮官らとの会合後、同軍の攻撃旅団が戦闘の準備を行っていることを示唆した。ただし具体的な情報は明らかにしなかった。ゼレンスキー氏は「攻撃旅団はいい状態で、我々は準備中だ。だが詳細は言わない」と述べた。
(3)「ウクライナ軍はここ数日で前線に沿って陣地を大きく広げており、予想されている反転攻勢がすでに進行中なのではないかとの臆測を呼んでいる。ある米高官はCNNに準備段階にあたる「形成作戦」が先週始まったと明らかにしたが、ウクライナは反攻が正式に始まったとまだ明言していない。ロシア軍はこのところ、首都キーウなどウクライナ各地へ激しいミサイル攻撃を行っている。ゼレンスキー氏は、ウクライナ軍が防空システムやミサイル備蓄の強化、部隊の訓練、長距離兵器の確保を優先すると述べた」
16日未明に始まったロシア軍のウクライナへの集中的なミサイル攻撃で、ウクライナはさらに反攻作戦準備を入念にしている感じだ。「パトリオット」の増加や長距離兵器の確保によって、一挙に反攻作戦を開始する意向と受け取れる。