勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: 台湾経済ニュース時評

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    台湾は、初めて自主建造の潜水艦「海鯤」が、1月29日に初の潜水試験を終えた。台湾の新鋭潜水艦の運用は、中国の軍事行動に対しての大きな圧力になるとの見方が出ている。広い海中で敵潜水艦が潜伏していること自体、大きな脅威になるからだ。海中深く潜っているので姿をみせず、いつ攻撃を仕掛けてくるか分らないからだ。台湾は現在、オランダ潜水艦2隻を保有している。今回の建艦により、保有潜水艦は3隻になる。新規建艦目標は、8隻とされている。

     

    海中に潜っている潜水艦の発見は、極めて困難な作業とされている。海上自衛隊の対潜哨戒能力の高さは、世界有数とされている。空中から、海中の潜水艦の所在を探る技術の難度が高いことは、潜水艦が威力を増す理由となっている。台湾が、自前で潜水艦建艦へ踏み切ったのは、中国の海上封鎖へ向けた迎撃態勢の強化へつながる。

     

    『レコードチャイナ』(2月1日付け)は、「台湾初の自主建造潜水艦が潜航試験を完了、大きな対中圧力になるか」と題する記事を掲載した。

     

    英国メディア『ロイター』やフランスメディア『RFI』はこのほど、台湾で初めて自主建造された潜水艦の海鯤が、潜航試験を実施した話題を取り上げた。『RFI』はこの潜水艦が「中国を抑止する利器になる」と評した。

     

    (1)「台湾が、実戦配備している潜水艦は1980年代にオランダから購入した2隻だけだ。当初予定では計6隻を購入するはずだったが、中国がオランダに強い圧力をかけたために、2隻にとどまった。2000年代になると米国のブッシュ政権が台湾に潜水艦を売却することを決めた。ただし、米国ではすでに通常動力の潜水艦を建造する技術がなかったために、ドイツやオランダから技術供与を受けて建造することにした。すると中国は、技術の供与元の国に強い圧力をかけたので、この計画も見送られた」

     

    台湾が、自前の潜水艦を建艦するに至るまで紆余曲折を経てきた。中国の本格的な侵攻作戦構えに対して、早急な建艦を迫られていた。米英の潜水艦技術が取り入れられているという。

     

    (2)「台湾はそのため、潜水艦を自主建造する方針に転換した。当初予定では2024年の就役だったが計画は遅延した。海鯤が初の潜水実験を終了したのは26年1月29日にずれ込んだ。建造した台湾国際造船は、「国際環境の制限と中国共産党の圧力により、台湾の国産潜水艦プロジェクトは当初から各種の困難と試練に直面してきた」と表明した。海鯤には、米国や英国などの技術が多く導入されている。中国が圧力をかける中で、西側先進国の技術を導入できたことは、台湾の外交面で「突破」を果たしたと評価できる。海鯤の建造費用は493億6000万台湾ドル(約2400億円)で、ロッキード・マーティン社の戦闘システムを採用し、米国製のマーク48(Mark48)重型魚雷を搭載する」

     

    台湾潜水艦「海鯤」には、ロッキード・マーティン社の戦闘システムを採用し、米国製の重型魚雷を登載しているという。

     

    (3)「台湾は、27年までに同じタイプの国産潜水艦2隻を配備することを望んでおり、後続艦にはミサイルを搭載する可能性があると表明した。台湾国際造船は最終的に同タイプの潜水艦8隻を建造することを希望している。中国海軍は、原子力潜水艦を含む潜水艦を60隻程度運用しており、しかも空母も3隻運用している。中国大陸側と台湾側の兵力の差は歴然だ」

     

    台湾は、27年までに同じタイプの国産潜水艦2隻を配備することを計画している。台湾国際造船は、最終的に同タイプの潜水艦8隻の建艦を希望している。採算問題であろう。

     

    (4)「潜水艦の本領はその隠密性にあり、相対的に数量が少なくても、「威力」が喪失するわけではない。例えば、大陸側が仮に台湾上陸作戦を決行する場合には、陸上への兵員や武器の運搬で、台湾側の潜水艦に輸送船が攻撃されるという、極めて大きなリスクを覚悟せねばならなくなる。台湾国際造船は、台湾が新たに保有することになった潜水艦の役割を「抑止力を有する鍵となる戦略的能力だ」と説明した」

     

    潜水艦の抑止力は、数は少なくても大きい。海中のどこに潜っているか分らない、という威圧感が極めて大きいからだ。

     

    (5)「台湾はこのところ、自らよりも規模がはるかに大きな敵対者である中国を抑制するために、潜水艦、無人機、トラック搭載ミサイルのような機動的で柔軟なシステムを利用して「非対称戦争」を戦えるよう体制を整えている。台湾の頼清徳総統は25年11月、政府は国防のために40億ドル(約6200億円)を追加投入すると発表した」

     

    台湾は、膨大な軍備を揃える中国に対して、「非対称戦争」で対応する。潜水艦、無人機、トラック搭載ミサイルなどの機動的で柔軟なシステムを構築する。これは、米軍の分散型攻撃態勢と全く同じである。島嶼部に隠れて迎え撃つ戦術である。

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    台湾では、自らを中国人として認識するか、台湾人として認識するかという、「自己認識(アイデンティティ)」の問題が、これまでたびたび取り上げられてきた。最近の調査(25年)では、「台湾人」としての認識が65%、「中国人」は2%である。一方で「中国人・台湾人」が28%となっている。広義の中国人意識は3割である。こういう状況に、中国への接近を意図する国民党が危機感を抱いている。中国語を話し,中華料理を食べるから台湾の人々は「中国人」という論法は、さぞかし習近平中国国家主席を喜ばせるであろう。

     

    『レコードチャイナ』(12月27日付)は、「『台湾人は中国語を書くから中国人』と国民党主席、ジャーナリストが猛反論―台湾メディア」と題する記事を掲載した。

     

    台湾メディア『自由時報』(12月25日付)は、台湾・国民党の鄭麗文(ジョン・リーウエン)主席が、「台湾人は中国語を書くから中国人」などと発言したことに対し、ジャーナリストが猛反論したと報じた。

     

    (1)「記事によると、鄭主席は22日に東呉大学で講演した際に「台湾人は中国語を書き、中華料理を食べ、中国の神を祭っているのだから、当然『中国人』である」と主張した。これに対して、ジャーナリストの詹凌瑀(ジャン・リンユー)氏は24日にフェイスブック上で反論した。詹氏は「文化的な源流を政治的な帰属に無理やり結びつける論説は、論理的に全く破綻している。米国人は英語を話すからといって果たして英国人なのか。米国やニュージーランド、オーストラリアの人々はみな英語を話し、シェークスピアを読み、洋食を食べ、英国と文化的な源流を共有している。文化は共有できるものだが、主権と国籍は独立したものだ」と論じた」

     

    国立政治大学(NCCU)選挙研究センターが毎年実施している「台湾人/中国人アイデンティティ調査」の最新版(25年)によると、「台湾人」意識が安定的に多数派(65%)であることを示している。特に注目すべきは、若年層(20〜39歳)では「台湾人」意識が7割を超える傾向が続いている。「中国人」との認識は一貫して低下傾向にあり、2%前後で推移しています。「両方」とする層はやや減少傾向にあり、アイデンティティの明確化が進んでいると解釈されている。

     

    国民党の鄭主席は、いささか乱暴な議論して猛批判を浴びている。「米国人は英語を話すからといって果たして英国人なのか」という、きつーい「一発」を浴びせられている。日本人が,英語を喋れば英国人か、という議論にもなる。国民党が焦るのは、本土から移住してきた人々が高齢化で減っていくことへの焦りと指摘されている。香港が、強引な中国支配で民主化を取消されたことで、台湾の人々は一段と「台湾人」意識を強めている。

     

    (2)「また、「シンガポールこそが最高の反証だ。シンガポールの華人も同様に箸を使い、旧正月を祝い、先祖を祭る。もし鄭氏の基準に従うなら、シンガポールも中国の一部になってしまうのではないか。私が台湾で寿司を食べ、アニメを見たからといって日本人になるわけではないし、ハンバーガーを食べ、ハリウッド映画を見たからといって米国人になるわけでもない。言語や食べ物はコミュニケーションや生活のための道具であって、政治的な忠誠を誓う契約書ではない」とも指摘した」

     

    シンガポール人口の6割が華人であるが、堂々と中国批判を行っている。中国語を喋っても、中国人意識でないことを明瞭に示している。


    (3)「鄭主席に対して、現代国家を構成する最も重要な要素が「公民意識」であるという点を見落としていると批判。市民のアイデンティーは文化やルーツではなく、「ともに信じる価値観、そしていかなる国家を築きたいと願うかによって決まるものだ」と結論付けている」

     

    市民のアイデンティーは、「ともに信じる価値観、そしていかなる国家を築きたいと願うかによって決まる」と指摘している。これが正論だ。

     

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    中国外相は、日本軍国主義反対の旗を掲げて駆けずり回っている。これに水を差す動きがトランプ米大統領によって2日に行われた。トランプ氏が、米国と台湾の公的な交流に関する指針を定期的に見直し、更新することを義務付ける「台湾保証実施法案」に署名したのだ。これは、明らかに中国の日本批判への間接的な意思表示である。中国は、大きなショックを受けて抗議の発言をした。

     

    先の米中首脳電話で、習氏が高市発言への苦情を言い立て、トランプ氏は外交用語で「理解した」と答えた。これが、誤り伝えられ「賛成した」となり、トランプ氏が習氏の肩を持って、高市氏へさりげなく「日中対立激化」に反対というように話の筋が曲げられて報道される騒ぎになっている。今回の台湾保証実施法案署名は、米台関係の強化である。習氏は、メンツを損なう事態になった。マスコミ誤報が招いた一件である。

     

    『ブルームバーグ』(12月3日付)は、「トランプ大統領、米台関係深化に向けた法案に署名」と題する記事を掲載した。

     

    中国が台湾に対して行動を起こす可能性への懸念が高まる状況にあって、トランプ米大統領は2日、米国の対台関与に関するガイドラインの見直しを国務省に義務づける法案に署名し、成立させた。ホワイトハウスが発表した。

     

    (1)「法律では、このガイドラインの下で米台関係がいかに深化しているかを説明するため、定期的な見直しを国務省に求めている。少なくとも5年に1度の評価では、米台関与に関する米国側の自主的制限を緩和する機会を特定し、詳細に示すことも義務づけている。法案を提出したワグナー下院議員(共和)は同法について、「中国共産党による地域支配という危険な試みに対し、われわれが断固として立ち向かうというメッセージを送るものだ」と表明した」

     

    米国は、中国の感情を逆なでする法案を成立させた。米台関係を深めるように米国が努力するという内容である。米国が、なし崩し的に台湾と関係を強化するというのである。高市発言どころの話でない。はるかに高度の内容である。

     

    (2)「高市早苗首相が11月、中国が台湾に侵攻した場合、集団的自衛権を行使できる存立危機事態になり得ると答弁したことで中国側が反発。中国の習近平国家主席はトランプ氏との先月の電話会談で、台湾を自国領とみなす中国にとって統一が極めて重要な問題だと、あらためて強調していた。台湾紙の自由時報は、トランプ氏の署名でこの法律が成立したことを受け、台湾当局者は米連邦政府機関を公務で訪問したり、代表事務所で米側と交流したりできるようになると、林佳竜外交部長(外相)を引用して報じた。同紙によれば、米台関係の正常化に向けたこのさらなる一歩を台湾外交部は歓迎している」

     

    これまで、台湾高官は米連邦政府機関を公務で訪問できなかった。それが、公式に行えるというのだ。台湾の林佳龍外交部長(外相)は記者団に、指針の見直しが頻繁になれば、台湾当局者が米連邦機関を訪問して会議を行うことなどが可能になるとの見方を示した。ただ、同法ではその点に明確な言及はない。

     

    一方、中国外務省の報道官は、米国と「中国の台湾地域」の間のいかなる公的な接触にも断固として反対すると表明。「台湾問題は中国の核心的利益の中核であり、米中関係で越えてはならない第1のレッドラインだ」と述べた。中国の「定義」では、米国は「侵略者」になる。国連へ通告しなければ格好がつかないであろう。どうするか。日本だけ非難して米国には黙認する。なんとも格好がつかない事態になった。

     

    (3)「米国の指導者は伝統的に、台湾問題で「戦略的曖昧さ」のアプローチを維持してきた。このアプローチの下では、米国は武力行使の権利を留保しつつ、中国が台湾を攻撃した場合に介入するかどうかを明確にはしていない」

     

    「一つの中国論」は、建前になっている。西側諸国は、一つの中国論を「理解」するが「賛成」はしていないのだ。日本も同じスタンスである。一つの中国論を金科玉条とする中国にとって、風向きが悪くなってきた。これからも、「日本軍国主義」を言い募って歩くのか。米国は、今回の法案署名で間接的に否定しているのだ。

     

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    中国は、ロボットに力を入れているが、ついに戦時用ロボットが登場した。兵士と一緒に作戦行動に参加するという。だが、迎撃側が特殊電波を使えば簡単に無力化も可能であろう。そういうリスクを考えないとしたら、武器には使えない「キワモノ」になる。戦争が,戯画化されてきた。

     

    『中央日報』(11月5日日付)は、「中国、台湾上陸訓練に『オオカミロボット』初めて投入…人間・無人混合戦闘を実験」と題する記事を掲載した。

     

    中国人民解放軍が台湾上陸を仮定した実戦型軍事訓練で四足ロボットの「オオカミロボット」を初めて投入したと、中国国営メディアが4日報じた。

     

     (1)「中国中央TV(CCTV)軍事チャンネルによると、東部戦区陸軍第72集団軍傘下の「黄草嶺英雄連」は最近実施した上陸作戦訓練でオオカミロボットを先頭に置いて障害物を突破し、敵陣に突撃する場面を公開した。中国兵器装備グループ(CSGC)が開発したオオカミロボットは重さ約70キロ、積載能力20キロで、5台のカメラで360度スキャンが可能だ。海岸上陸後に部隊員より先を進みながら偵察と攻撃の任務を併行するよう設計されている」

     

    最大の問題は、台湾海峡を渡りきる前に沈没させられる危険性が極めて大きいことだ。台湾は、上陸作戦を敢行できる場所が限られているので、そこを集中的に防御されれば上陸は不可能とされている。台湾侵攻は,地勢的に困難な場所である。太平洋戦争で、米軍が台湾上陸作戦を回避したのは、膨大な被害が予測された結果だ。

     

    (2)「一部のロボットが、訓練中に敵の火力で爆破されたとはいえ、中国軍が四足無人装備を単純な技術検証段階を越えて実戦応用段階に進入させたという評価だ。CCTVは「過去には戦士らが命をかけて先頭で200メートルを突破したが、今は『オオカミロボット軍団』がそれに代わる」と伝えた。香港明報によると、今回の訓練で中国軍はオオカミロボットのほか大型ドローンと高速自爆ドローンの3種類の無人装備を投入した。大型ドローンは海岸の橋頭堡の敵の陣地を爆撃し、自爆ドローンは爆発物を載せて敵の兵力や軽戦闘車両に向かって突進する戦術を試演した。オオカミロボットは突破で確保、掩蔽物提供、障害物除去などの任務を担った」

     

    台湾が、イスラエルと同様に空中防御網を敷けば、攻撃は困難とみられている。さらに、これを補足する防御手段が米国で開発されている。オオカミロボットを使い、喜び勇んで侵攻作戦を開始すれば、中国の命運はそれを機に暗転するであろう。


    (3)「中国軍の関係者は、今回の訓練が人間兵力と無人戦闘体系を統合運用する「混合編成」体制への進入を意味すると説明した。これは中国の両棲(水陸両用)作戦能力が新たな段階に発展していることを見せる信号と解釈される。ただ、軍事専門家はオオカミロボットの主要部品が外部に露出して防御力が脆弱で、偵察と突撃の任務を同時に遂行するのは難しいと指摘した。中国軍事ブロガー「大宜湾」は「ロボットの数が十分に増えて速度が向上すれば戦況が変わる」と予想した」

     

    ロボットには、自らの判断で作戦をかえられない硬直性を抱えている。一種の「特攻兵器」である。

     

    (4)「『黄草嶺英雄連』は、韓国戦争(朝鮮戦争)当時に手柄を立てた部隊で、台湾海峡作戦を担う第72集団軍の核心戦力。今回の訓練場面は中国と台湾の軍事専門家の間で注目された。オオカミロボットは9月の中国軍事パレードでも大型ドローン・無人ヘリコプター・無人艦船などと共に公開されて視線を引いた」

     

    現代戦は、情報戦でもある。ロボットが、刻々変る最前線の情勢変化を読み、作戦を判断できないだろう。それは、ロシア軍が中央集権的作戦命令に依存することと同じである。ウクライナ戦では、この弱点が100%出て、ウクライナ軍の最前線判断方式に敗れている。中国軍は、ロシア軍と同じ中央集権的作戦命令によって動いている。同じ轍を踏むだろう。

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    米国トランプ大統領はドライで、経済的利益を得るためには「何でもする」という噂が強い。その一環として、「台湾問題で中国と取引」するとの懸念が出ていた。これは、日本経済新聞がこの種の報道を何回か行なったことで強まった面もある。台湾放棄は、米国覇権の基盤を売り渡すも同然の危険な政策である。米国が、覇権をめぐって中国と対抗している渦中で、そういう無定見な政策を行なうはずがない。本欄はこういう視点で、この問題を捉えてきた。

     

    『日本経済新聞 電子版』(10月26日付)は、「米国務長官『台湾見捨て中国と貿易協定ない』 レアアースで取引否定」と題する記事を掲載した。

     

    ルビオ米国務長官は25日、中国との貿易交渉で同国のレアアース(希土類)輸出規制緩和と米国の台湾政策修正を交換条件にするとの観測を否定した。「台湾を見捨てる代わりに貿易上の優遇措置を得る協定が結ばれることはない」と明言した。

     

    (1)「訪問先のカタールの首都ドーハで記者団に語った。台湾当局者から30日に予定する米中首脳会談の貿易交渉で合意するため、台湾問題が交渉材料になるとの懸念があると問われて答えた。ルビオ氏は、「なぜそうした懸念がなぜ生じるのか理解できない」と述べた。「台湾には多くの懸念事項があり、置かれた状況からすれば当然だが(米中首脳の)対話は両国の規模と重要性ゆえに外交的関与を維持する必要性に加え、主に貿易分野に焦点を当てている」と説明した」

     

    ルビオ氏が、国務長官としてだけではなく暫定的な大統領国家安全保障顧問として、政権中枢でいっそう広範な役割を担っている。今回のロシアへの経済制裁強化は、ルビオ氏がトランプ氏を動かした結果とみられている。ルビオ氏は、「反共」闘志でもある。米国がレアアースを欲しくて、「台湾を売った」となれば、米国と同盟を結ぶことがいかに危険かというたとえ話になるほどだろう。米同盟国は、米国が覇権国であるから同盟を結んでいるもの。その根幹である安保がぐらつけば、同盟の意味は消えるのだ。

     

    (2)「トランプ米大統領は30日、韓国で中国の習近平国家主席と会談する予定だ。台湾問題を取り上げると表明しており、台湾を含む安全保障問題と貿易で「ディール(取引)」するとの見方が浮上していた。24日に記者団から台湾に関する米国の政策変更に前向きかと問われ、トランプ氏は「いまはその件については話したくない。複雑な状況をつくり出したくない」と否定しなかった。中国が台湾への軍事威圧に出る可能性を聞かれ「そうしないことを望む。動けば彼らにとって非常に危険だ」と警告した」

     

    中国の台湾侵攻は事実上、困難になっているとの見方が強まっている。台湾の地勢的な面での難攻不落と並んで、中国経済の衰退傾向の強まりである。こういう状況を逐一把握している米国が、敵に塩を送るようなことをするはずがないからだ。

     

    (3)「米中両政府は25日、5度目となる閣僚級協議をマレーシアで始めた。トランプ氏は中国によるレアアース輸出規制に強く反発する一方、中国側も米国による中国への輸出規制を批判する。安全保障上の懸念がある製品を含み、両国が妥協点を見いだすのは容易ではない。トランプ氏は26日、アジア訪問で最初に立ち寄るマレーシアに到着した。東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席するほか、現地で参加国首脳との2国間会談に臨む。ルビオ氏は、ASEAN関連首脳会議について「このフォーラムは極めて重要だ」と述べた。「インド太平洋地域の関係者から『米国はこの地域に本当に関与するのか』とよく聞かれるが、大統領が現地を訪問することがその証左になる」と主張した」

     

    トランプ氏は、ルビオ氏への信頼度を高めている。米国内での孤立派の存在は無視できないが、米国覇権を危うくするような台湾政策を採用するとは考えられない。

     

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