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中国外交は、完全に有頂天になっている。中国の王毅外相は7月8日、悪化している豪州との関係改善を協議する場で、4点の要求を突付けた。米国の言いなりにならず、国内問題だけ考えていろ、というもの。豪州は、即座にこれを拒否したのは当然である。

 

中国のこういった高姿勢は、外交交渉の常識に反したものである。豪州との関係改善を意図したものでなく、むしろ喧嘩を売っているようなものだ。豪州が、もはや中国と昔のような良好な関係に戻れないという前提であろう。それにしても、中国のこの無礼な態度は何であろうか。

 

『大紀元』(7月12日付)は、「中国『関係改善に4条件』 豪州が一蹴『国益譲歩しない』」と題する記事を掲載した。

 

豪州のアンソニー・アルバニージ首相は7月11日、中国が両国関係を改善するために挙げた4つの条件について、「応じない」とメディアに明かした。

 

(1)「アルバニージ首相は、「オーストラリアは国益において譲歩しない」とする姿勢を示した。8日、インドネシアのバリ島で開幕した20カ国・地域(G20)会合の合間に中豪外相会談が行われた。近年、両国の緊張関係が続いていることを背景に、豪州のぺニー・ウォン外相は会談を「関係安定化のための第一歩」と評価した。中国の王毅外相は、摩擦の「根本的な原因」は、モリソン前政権が中国を「敵」または「脅威」とみなしていたことだと述べ、対応を改めるよう促した」

 

王毅外相は、中豪関係の悪化原因がすべて豪州側にあるという立場だ。真相は、2020年の新型コロナの発症原因について、豪州が中国に原因究明を求めたことだ。ごく普通の要請だが、中国はこれに激怒して豪州に経済制裁を加え両国関係は悪化したもの。中国は、コロナの発症は中国に原因がないとして、一時は米国へ擦り付けるという情報操作すらしたほど。要するに、逃げ回っているのだ。

 


(2)「具体的には、次のようなものだ。

1)中国を敵対国ではなくパートナーとして扱うこと

2)米国を念頭に「第三者の言いなりにならないこと」

3)(両国の)共通点を見出すこと

4)現実的な社会的基盤の構築と国民の支持の獲得に専念すること

ウォン豪外相は8日の会談の冒頭挨拶で、中国外相に対し「オーストラリアの政権が変わっても、国益を守ろうとする我々の政策は変わらない」と述べた」

 

上記4点のうち、2)と4)についてコメントしたい。

2)「第三者の言いなりにならないこと」とは、相手国に対して最大の侮辱である。こういう姿勢で臨んだ王毅氏は、最初から関係完全が不可能と見ていることを示している。豪州は「クアッド」(日米豪印)の一員であり、軍事同盟「AUKUS」(米英豪)の当事国として、中国を標的にしている。豪州をここまで追込んだのは、中国の傲慢な経済制裁にある。

 


4)「国民の支持の獲得に専念すること」とは、明確な内政干渉である。豪州は、外交問題よりも内政問題だけに専念していればいい。こういう中国の言分は、余りにも傲慢無礼な態度であり、「戦狼外交」そのものである。あの王毅氏の面相で、こういう発言をする時の雰囲気が伝わって来る感じだ。ちなみに、豪州のぺニー・ウォン外相は女性である。相手を「舐めた」感じも出ている。不愉快な話である。

 

(3)「モリソン前政権の「中国を敵対国、ひいては脅威とみなす」ことが中豪関係を悪化させたとする王外相の主張に対し、モリソン前政権で貿易・観光・投資相を務めたダン・テハン氏は「現政権でもこの政策は継続していく」と述べた。11日、豪スカイニュースの取材に応じたテハン氏は、「オーストラリアは北京の要求を拒否し、国益にかなうことを続けるべきだ」と訴えた。さらに、「我々は自国の主権が侵害されない範囲内で建設的な関与を望んでいる」とし、「オーストラリアの立場は明確で変わっていない。変わったのは中国のほうだ」と同氏は付け加えた」

 

豪州前政権で貿易・観光・投資相を務めたダン・テハン氏は、中国外相の発言に反発している。中国は、こうして「反中ムード」を高めるようなことを敢えて行なっている。それが、「大国の道」と誤解しているからだ。中国は、豪州との関係改善を完全に諦めていると見るべきだろう。