英誌『エコノミスト』の調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が7日、最も住みやすい世界都市ランキングを発表した。首位は、2年連続でデンマーク首都コペンハーゲンに輝いた。日本は、大阪(7位)、東京(10位)でベストテン入りでは常連都市になっている。日本以外で複数都市が選ばれたのは、豪州(3都市)とスイス(2都市)である。日豪スイスで、ベストテンのうち7都市を占めている。このことから分かるのは、都市の安定性が最も重視されていることだ。
EIUは、 安定性・医療・教育・インフラ・文化環境 の5分野で世界173都市を評価している。トップ10は、以下の通りだ。
1位:コペンハーゲン(デンマーク) 2年連続首位。安定性・インフラ・教育の3部門で満点。生活の質が非常に高い都市として評価された。
2位:ウィーン(オーストリア) 以前は3年連続首位。依然として世界トップクラスの評価である。
3位:メルボルン(オーストラリア) 前年より順位がⅠつ上昇。医療・教育・文化の評価が高い
4位:シドニー(オーストラリア) 昨年6位
~ 今年は4位へ上昇。インフラと文化環境が高評価されている。
5位:チューリヒ(スイス) 昨年はウィーンと並んで2位。今年は順位を3つ落とす。
6位:ジュネーブ(スイス) スイス勢が上位に複数ランクイン。医療・安定性が高評価。
7位:大阪(日本) 前年と同じ7位を維持。医療・インフラの評価が高い。
8位:アデレード(オーストラリア) 生活環境の安定性が評価。
9位:バンクーバー(カナダ) 北米で唯一のトップ10入り。医療・文化環境が高評価。
10位:東京(日本) 日本から2都市がトップ10入り(大阪・東京)。インフラと安定性が高評価。
豪州から3都市が、トップ10入りした。シドニーを訪問した経験では、大都市というイメージがしない、広々としてゆったりした雰囲気が漂っている。博物館など全て無料(1993年ころ)であった。東京からシドニーまで太平洋を横断し、眼下に多くの緑の島嶼国を見られるのは得がたい経験だ。
EIUは、 インフラ(交通・水道・電力・都市計画)を重視する。オーストラリア・スイス・日本は、公共交通が高品質、都市計画が長期的、災害対策が高度、電力・水道の安定供給が世界最高レベルという点で共通している。特に
コペンハーゲンが満点を取った「インフラ」分野で、日本・スイス・豪州も高得点である。
『CNN』(7月8日付)は、「世界で最も住みやすい都市ランキング発表
日本からは2都市がトップ10入り」と題する記事を掲載した。
英誌『エコノミスト』の調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が7日、最も住みやすい都市ランキングを発表し、デンマーク首都コペンハーゲンが2年連続で首位に輝いた。
(1)「コペンハーゲンの前は、オーストリアのウィーンが3年連続で首位を守っていた。EIUは、教育、安定性、医療、インフラ、文化など複数の要素に基づき、世界173都市を順位付けしている。コペンハーゲンは、安定性、インフラ、教育を含む3部門で「満点」を獲得した。9位のカナダ・バンクーバーは、北米の都市で唯一トップ10入りした。3位はオーストラリアのメルボルンで、前年から一つ順位を上げた。同じくオーストラリアのシドニーは、6位から4位に上昇した」
コペンハーゲンは、「箱庭」のように整然としていた。世界でも有数の自転車都市として知られ、通勤・通学や買い物など、日常の足として自転車が当たり前。自転車専用道路があり、私はそれと知らずベルをならされ注意されたほど。人間主体の都市づくりの見本である。
(2)「昨年、ウィーンと並んで2位だったスイス・チューリヒは、三つ順位を落とし、同じくスイスのジュネーブが6位で続いた。大阪は7位を維持し、オーストラリアのアデレードは8位、東京は10位だった。一方、イラン戦争は湾岸地域の都市の順位にも影響し、安定性部門のスコアが低下。最も大きく順位を落としたのは、オマーンの首都マスカットで、順位を14下げて123位となった。クウェート市も順位を12下げて105位となった」
チューリッヒは、車窓から見ただけだが、チューリッヒ湖とアルプスが一体化した街である。日本で言えば、上高地を鉄道が走っているような存在。規模は全く違うが。
(3)「西欧は、最も住みやすい地域となったが、平均スコアは91.7で、2025年をわずかに下回った。一方、アジアは0.3ポイント上昇して73.9となった。主な要因は医療スコアの改善で、中国南東部の福州が七つ順位を上げて93位になるなど、中国の都市で改善が目立った。EIU広報は、「中国の都市については医療スコアを全般的に引き上げた。助成制度と投資をめぐる全国的な改善を反映したものだ」と説明。同国の新たな長期介護保険制度や医療提供体制の改善を指摘した。シリア首都ダマスカスは依然として世界で最も住みにくい都市とされているが、ランキング下位では変動があった。イラン首都テヘランは戦争により164位に下落し、ウクライナ首都キーウは166位に順位を落とした」
西欧の平均スコアは、91.7である。アジアは、73.9でその差は17.8もある。アジアの主要都市は、西欧に対して8割のレベルである。それだけ、「人間主体」の街づくりなっていないのだろう。
ここで、中国の主要都市の評点をみておきたい。中国は、医療は改善、インフラ強化、教育強いなど、「部分的な強さ」は認められている。だが、安定性、文化環境、都市の均質性、生活の自由度、社会の予見可能性という「都市の生活の質」を決める部分で、点が伸び悩んでいる。そのため、
トップ10へ入る基礎構造ができていないのが実態だ。
以下は、過去10年の傾向をまとめたものだ。
北京は40〜60位台を推移している。政治・文化・教育は高評価だが、大気汚染、交通渋滞、生活の自由度 が足を引っ張り、上位に入れない。
上海は35〜55位台を推移している。インフラ・医療は高評価だが、生活コストの高さや環境規制の評価が芳しくない。
深圳は50〜70位台を推移している。経済力は世界トップ級だが、医療アクセスや都市の均質性
が課題となっている。
広州は、60〜80位台を推移している。医療・インフラは改善したが、生活の自由度が低く、順位は伸びきれない。



