日本とインドが半導体を核に経済安全保障分野の協力を強める。両政府は、8月29日の首脳会談で打ち出す。日本が強みを持つ装置や素材の関連企業が、インドへ進出し供給網づくりを後押しする。新幹線のインドへの敷設拡大計画も、話し合われる見込みだ。
『日本経済新聞 電子版』(8月27日付)は、「インド半導体国産化、日本企業が支援 東京エレクトロンなどが供給網」と題する記事を掲載した。
日本とインドが半導体を核に経済安全保障分野の協力を強める。両政府は29日の首脳会談で打ち出す。日本が強みを持つ装置や素材の関連企業がインドに進出し、供給網づくりを後押しする。東京エレクトロンは9月、同国初となる製造装置の開発拠点を稼働させる。エア・ウォーターは洗浄・乾燥工程などに使う産業ガス工場を複数新設する。
(1)「石破茂首相は29日に来日するインドのモディ首相と首脳会談に臨む。重要物資の調達に向けた協力の枠組み「経済安全保障協力イニシアチブ」に合意する。半導体や鉱物資源などを重点分野に定め、10年間の行動計画に基づいて企業の協業を後押しする。半導体を巡っては中国に依存しない供給網が課題になっている。日本側にとってもインドへの進出企業が現地で調達できる環境を整える価値がある。政府が積極的に関わり、企業の投資や共同事業を促す方針だ」
日本は、インドと重要物資の調達に向けた協力の枠組み「経済安全保障協力イニシアチブ」に合意する。日印で、重要物資の供給で協力し合うものだ。
(2)「東京エレクトロンは7月、インド南部ベンガルールに開発拠点を設けた。9月に開所式を開き、半導体製造装置の設計やソフトウエア開発を手掛ける拠点として稼働させる。2027年までに人員を300人規模に増やす。日印首脳は首脳会談に続き、30日に宮城県にある東京エレクトロンの拠点を訪れ、顧客向けの研修施設を視察する予定だ。同社は西部グジャラート州に半導体工場を建設中の現地財閥タタ・グループと人材育成などで提携している」
日本は、インドにおけるレガシー(成熟)半導体製造で協力する。日印協力では、日本が人材育成にも協力している。日印首相は、宮城県にある東京エレクトロンの顧客向けの研修施設を訪れる。新幹線運転でもインド人の研修が行なわれている。
(3)「インドでは、米マイクロン・テクノロジーなどの外資も半導体の現地生産を計画する。調査会社グローバルインフォメーションによると、インドの半導体産業の市場規模は29年に現在の2倍の829億ドル(約12兆円)と高い成長が期待される。製造装置や素材の需要を見込んだ日本のサプライヤーの進出が相次いでいる。エア・ウォーターは半導体製造に欠かせない窒素などを生産する工場をムンバイ周辺など3カ所に新設する。インド東部などで着工済みの工場と合わせ、500億円程度を投じて27年度までに稼働させる。同社は19年にドイツの産業ガス大手リンデからインド事業の一部を買収している」
インドは、米マイクロン・テクノロジーなどの外資も半導体の現地生産に携わっている。国際的に協力関係を強化している。
(4)「日本通運を傘下にもつ NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は半導体の保管に適した物流拠点を26年以降にインドの3都市に設ける。悪路を安定して走れるトラックを確保するなど、現地の交通事情に合わせた物流網を整備する。半導体を傷や汚れから守るモールディング装置を手がけるTOWAは、4月にニューデリー近くのハリヤナ州に営業拠点を新設した。半導体素材で高いシェアを持つ富士フイルムも28年ごろの稼働を目指しインド西部で工場建設を表明している」
半導体の物流拠点でも、日本企業が協力している。
(5)「インド政府は半導体生産に必要な電力をまかなうため、発電所や変電所の整備も進めている。JFEスチールは変圧器向けの高級鋼材について30年度までにインドで生産能力を7倍に引き上げる。特定の国・地域に重要物資の調達を依存すれば、緊急事態が起きた場合に供給網が途絶するリスクがある。世界各国が調達先の多様化を進めており、日印経済の結びつきを生かして連携を深める」
半導体生産に必要な電力をまかなうため、発電所や変電所の整備も進めている。JFEスチールは、変圧器向けの高級鋼材について30年度までにインドで生産能力を7倍に引き上げる。半導体が、関連産業の需要を生んでいる・



