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今から振り返って見れば、韓国では文在寅政権時代が一番、有頂天になっていた。「二度と日本に負けない」と、文大統領(当時)は、日本に向かって啖呵を切った。また、韓国は先進国になり「G8」と自称してもいた。韓国は、あの時期が懐かしいであろう。

 

一転して現在は、韓国が誇る半導体産業に不況の風が吹き始めている。韓国の産業界・学界の半導体専門家30人を対象に調査によると、8月時点で半導体危機が相当期間続くものとみている。回答者のうち58.6%がこうした状況が再来年以降も続くだろう言う。気も滅入るような予測結果が出ているのだ。

 

『中央日報』(9月28日付)は、「半導体寒波、予想よりも厳しい『韓国半導体』に非常灯」と題する記事を掲載した。

 

半導体需要の急減と価格下落にともなう市場沈滞で韓国の半導体業界の前途に非常灯が灯った。早ければ10月6日に7~9月期の業績発表を控えたサムスン電子は半導体営業利益が前四半期比で半減するという観測まで出てきた。

 

(1)「市場調査会社のトレンドフォースは9月27日、7~9月期のNAND型フラッシュ価格が平均13~18%下落したのに続き10~12月期にも15~20%ほど追加で下がるものと予想した。これに先立ちトレンドフォースはDRAM価格もやはり7~9月期に10~15%、10~12月期に13~18%下落するという悲観的な見通しを出していた」

 

メモリー型半導体は、汎用品ゆえに市況変動が激しい特性を持っている。急騰・急落という動きで、これは避けられない。非メモリー型半導体になれば、受注によって生産するので価格変動はより安定している。韓国半導体は、メモリー型の激しい市況変動を回避できない宿命を負う。台湾半導体とは対照的である。台湾は非メモリー型半導体が主流だ。

 


(2)「市場ではすでに業績見通しを大きく引き下げている。この日金融情報会社のFnガイドによるとサムスン電子の7~9月期の営業利益見通し(コンセンサス)は前年同期比20%減少した12兆7076億ウォンだ。前四半期の14兆970億ウォンより1兆ウォン以上減った。半導体だけ分けてみれば7兆ウォン前後と予測される。匿名のサムスン電子関係者は「内部ではこれよりはるかに低い5兆ウォン台を予想している」と話す」

 

サムスン電子の7~9月期の営業利益見通し(コンセンサス)は、前年同期比20%減少した12兆7076億ウォンだ。サムスン内部では、5兆ウォン台を予想しているという。大きな違いだ。正式発表の暁は、余りの悪化に衝撃を与えそうだ

 


(3)「証券業界では、SKハイニックスの7~9月期営業利益見通しも前年同期比40%減った2兆5050億ウォンとみる。3カ月前の予想値である4兆6495億ウォンの半分水準だ。SKハイニックスは、売り上げの97%がDRAMとNANDから出ており影響がもっと大きいと分析される」

 

サムスンに次ぐ半導体のSKハイニックスは、7~9月期営業利益見通しを前年同期比40%減という。これも正式発表では、さらに悪化した数字になりそうだ。

 

韓国半導体は市況急落に大揺れだが、台湾半導体は健闘している。その差は、韓国のメモリー型半導体に対して、台湾は非メモリー型半導体という受注生産で市況が安定している点にある。

 


『ハンギョレ新聞』(9月28日付)は、「韓国・台湾の対中貿易収支の明暗、半導体で分かれた」と題する記事を掲載した。

 

中国と台湾間の関係悪化にもかかわらず、台湾の対中国貿易黒字の基調はそのまま維持されている。韓国の対中国貿易収支が5月から連続で赤字を記録しているのとは対照的な流れだ。両側を分けたのは半導体だったとの分析が出た。

 

(4)「韓国貿易協会の国際貿易通商研究院が9月28日に出した報告書「韓国と台湾の対中貿易構造分析」によれば、8月基準で台湾の対中貿易収支は34億5000万ドルの黒字を記録した。一方、韓国の対中貿易収支は、8月が3億7000万ドルの赤字だった。貿易協会は、台湾の対中貿易黒字の要因として半導体を挙げた。最悪に突き進んでいる台中関係にもかかわらず、台湾の対中交易は比較的安定して維持されており、特に半導体が中国向け輸出および貿易収支黒字で占める割合が急上昇しているとの分析だ」

 


台湾は、非メモリー型半導体で安定した実績を上げている。中台関係は悪化しているが、ビジネスは安定している。中国に代替輸入先がない結果だ。

 

(5)「今年1~8月、台湾の中国向け半導体輸出は430億ドルで、輸出全体の51.8%を占めた。昨年の年間45.6%(半導体輸出574億ドル/全体輸出1259億ドル)よりさらに高まった。18月の半導体分野で収めた貿易黒字は223億ドルで、貿易黒字全体の92.7%を占めた。昨年、この割合は69.8%(303億ドル/434億ドル)だった。これとは異なり、韓国の中国向け半導体輸出は7月の14.8%増加(昨年同月比)から8月は3.6%の減少に転じた。1~8月累計で韓国の対中貿易収支は依然として黒字を記録中ではあるが32億ドル水準で、昨年同期(158億ドル)に比べて79.8%減少した。同期間、台湾の対中貿易黒字は240億ドルだった」

 

台湾の1~8月の対中半導体輸出は、全体の51.8%を占めている。昨年同期の45.6%を上回るほど。世界の半導体不況とは無縁である。多分、自動車用半導体など特殊分野の半導体であろう。韓国の中国向け半導体輸出は、7月の14.8%増加(昨年同月比)から8月は3.6%減に転じている。メモリー型半導体の不振を表している。台湾と韓国の差は大きい。