ドイツ・フォルクスワーゲン(VW)が、30日発表した2025年7〜9月期決算は営業損益が12億9900万ユーロ(約2300億円)の赤字(前年同期は28億3300万ユーロの黒字)へ転落。グループの高級車ポルシェの電気自動車(EV)戦略転換に伴う引当金と米国の高関税対応で75億ユーロ(約1兆3200億円)の追加コストが生じ、赤字に転落した。
トヨタ自動車は、11月5日に7~9月期決算を発表する。ブルームバーグがまとめた市場予想によると、総収入は前年同期比5.9%増の12兆1144億円になる見通し。営業利益は26.9%減の8443億円になろう。VWが、営業損益で約2300億円の赤字であるから、トヨタの奮闘が目立つ。
『日本経済新聞 電子版』(11月1日付)は、「フォルクスワーゲンの7〜9月、2300億円の赤字 EV戦略を修正」と題する記事を掲載した。
ポルシェは、30年までに新車販売の80%以上をEVとする目標を掲げていたが、9月に事実上撤回した。「カイエン」など人気車の後継エンジン車モデルのほか、新たな多目的スポーツ車(SUV)のエンジン車とプラグインハイブリッド車(PHV)を開発し、30年代まで販売を継続すると決めた。
(1)「VWは、ポルシェの開発コスト増などで47億ユーロの減損損失を計上した。さらにトランプ米政権の関税政策の影響によって25年12月期通期で最大50億ユーロの追加コストが生じるとみている。7〜9月期の最終損益は4億8200万ユーロの赤字(前年同期は11億9300万ユーロの黒字)だった」
EUの盟主ドイツ経済を牽引するVWが、トランプ関税とEVの重圧で業績が悪化している。
(2)「1〜9月期の売上高営業利益率は2.3%で、前年同期より3.1ポイント下がった。アルノ・アントリッツ財務担当役員は、ポルシェの一時的な減益要因を除けば営業利益率は4.5%だったと指摘し「それでも将来への十分な投資には足りない。新たな負担はコスト削減策で相殺する必要がある」と語った。欧州でEV需要が回復したのに加え、米国で高関税前の駆け込み需要が起きたことから1〜9月の新車販売は658万台と前年同期比で2%増えた。同期の売上高は1%増の2386億6900万ユーロ、純利益は35億2300万ユーロと半減した」
1〜9月期の売上高営業利益率は、2.3%と危機ラインである。最低で5%は必要とされるので、VWの苦境ぶりが目立っている。
VWの通年販売台数は、877万台と24年の903万台を割込む見通しである。トヨタは25年に1050万台予想である。VWとの格差がさらに大きく開く見込みだ。トヨタは、海外市場が順調に伸びている。EVへ特化しなかった結果だ。
(3)「オランダに本社を置く中国資本の半導体メーカー、ネクスペリアを巡る両国の対立から半導体不足の懸念が高まっている。アントリッツ氏は「現時点では来週末まで供給に問題はない」と強調したうえで「率直に言うと週単位で対応している。政治的な解決が見いだされることに期待している」と述べた」
米国ホワイトハウスによれば、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の会談で、ネクスペリア半導体は出荷再開が合意され近く発表される。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。これら関係者によれば、半導体に関するこの新たな方針は、今週署名された米中貿易協定の詳細を示すホワイトハウスの文書に含まれる。『ウォールストリートジャーナル』(11月1日付)が報じた。





