EU(欧州連合)では、EV(電気自動車)が不振を極め解雇者続出である。この事態を解決するには、EVを保護する一方で、中国EVを廃除しなければならないという二律背反に陥っている。そこで、EV部品が70%の完成車について購入補助金を給付するとの案が出されているが、異論百出で決定に至っていない。70%部品に英国や日本も含めよという主張も出ているという。
『フィナンシャル・タイムズ』(2月17日付)は、「EU、EV補助に『70%域内生産』要件 中国勢に対抗」と題する記事を掲載した。
欧州連合(EU)の欧州委員会は、電気自動車(EV)に政府の購入補助策を適用する際の条件として、部材の少なくとも70%を域内製とすることを義務付ける案を検討している。中国勢との競争が激化するなか、域内の製造業基盤を保護する狙いがある。
(1)「フィナンシャル・タイムズ(FT)が確認した法案の草案によると、欧州委は建設分野でも政府補助や公共調達の対象となる製品について、窓やドアに使われるアルミニウム製品の少なくとも25%、プラスチック製品の30%を域内製とすることを義務付ける方針だ。EVや建設などの重工業に域内製の基準を設けるのは、約2兆6000億ユーロ(約472兆円)規模のEUの製造基盤を維持するための広範な取り組みの一環となる」
EUは、472兆円規模でEU製造業保護を行う。EV保護もその一環である。
(2)「欧州では、中国の低価格製品との競争に加え、エネルギー価格の高騰や厳格な気候変動対策への対応コストの増加により、EUの製造業では工場閉鎖や数千人規模の人員削減が進んでいる。欧州委が25日に公表する予定の「産業アクセラレーター法」は、公共調達の入札で二酸化炭素(CO2)排出量を考慮することなどを通じて、域内産業の競争力を高めることを目的とする」
EUの製造業では、工場閉鎖や数千人規模の人員削減が進んでいる。それだけに、中心産業であるEV保護では意見が割れている。
(3)「草案では、購入補助の対象となるEVやハイブリッド車(HV)、燃料電池車(FCV)、および公的機関が購入またはリースする車両について、域内で組み立てることを求める。さらに、電池を除く部材の少なくとも70%を価格ベースで域内調達とすることが条件となる。また、車載電池の主要部材の一部についても域内由来とする要件が盛り込まれた。EV業界は電池技術や材料で中国への依存度が高く、この条件の達成は難しいとの指摘が自動車業界から出ている」
EV購入補助対象車では、域内で組み立てることを求める。さらに、電池を除く部材の少なくとも70%を価格ベースで域内調達が条件だ。
(4)「部品の70%という基準は草案で角かっこ付き([70%]といった形)で記載されており、なお議論中で変更される可能性がある。再生可能エネルギーや電池などクリーン技術分野の企業や自動車部品メーカーは、域内調達の要件を支持している。一方、自動車メーカーの見解は分かれている。独BMWは、規制が不要なコスト増と事務負担を招くと警告した。これに対し、独フォルクスワーゲン(VW)や欧州ステランティスは、自動車メーカーに域内製部材の使用を促す「メード・イン・ヨーロッパ」の公的支援制度の導入を求めている。さらに一部の自動車メーカーは、優遇対象をEU域内調達に限定せず、トルコや英国などの製造拠点、あるいは日本などの主要な貿易相手国が製造した部材調達も含めるべきだと主張している」
70%も最終決定ではない。変更される可能性もある。優遇対象をEU域内調達に限定せず、トルコや英国などの製造拠点、日本なども加えるべきという意見もだされている。




