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ロシアは、イランが設計したドローンの新たな生産工場を国内に設ける計画で、イラン政府と協議を進めている。『ウォール・ストリート・ジャーナル』(2月5日付)が報じた。米同盟国の当局者らが明らかにしたもの。工場では、ウクライナ戦争向けに少なくとも6000機のドローンが生産される可能性がある。ロシアとイランの協力関係の深まりを示す新たな兆候だ。

 

『中央日報』(2月6日付)は、「『ロシアでイランが開発のドローン6000機作る』…ドローン工場設立に合意」と題する記事を掲載した。

 

ロシアとイランが、イランが開発した無人攻撃機(ドローン)をロシアで直接生産することで合意したことがわかった。米国やドイツなど西側諸国がウクライナに戦車などを支援することにし、最近ドローン攻撃を増やしてきたロシアが非対称戦力強化にさらに力を入れる様相だ。

(1)「『ウォール・ストリート・ジャーナル』が5日に伝えたところによると、ロシアとイランはロシアに工場を設立しイランの技術力でドローンを生産することで最近合意した。同紙は「イランのハイレベル代表団が先月初めにロシアを訪問して工場建設予定地を訪問し細部事項を調整した。自爆ドローンを最小6000機以上生産してウクライナの戦場に投じる方針」と伝えた。イラン代表団が視察した工場用地は、モスクワから東に1000キロメートルほど離れた人口6万~7万人の工業都市エラブガという」

 

ロシアは、大量の武器をイラク侵攻で失っている。経済制裁で、武器の生産も出来ないことから、ドローン生産でウクライナ軍の意表を突くという苦肉に策に出ざるを得なくなっている。

 

(2)「ロシアは、これまでイランから自爆ドローンの提供を受けウクライナの電力網などを空襲するのに活用してきた。新年初日から自爆ドローンで猛爆を加えるなど、戦争長期化で兵力が不足すると攻撃用ドローンに対する依存度が高まっている状況だ。しかし、イラン製ドローン「シャヘド136」はプロペラエンジンで動くため速度が遅く騒音が激しく小銃射撃にも撃墜されるほど防御が弱かった。ウクライナ空軍が昨年秋以降これまでに撃墜したと明らかにした自爆ドローンだけで540機に達する」

 

これまでのイラン製ドローンは、速度が遅くウクライナ軍の攻撃対象になってきた。映像では、ウクライナ軍の電波で強制着陸させられているケースも出ていた。こういう弱点を抱えていたのだ。

 

(3)「このためロシアに新しく設立される工場では、さらに速いスピードを出すことができ、さらに遠くまで飛べる改良型ドローンを作るのに集中するものとみられる。同紙は「新たに製作されるドローンはウクライナだけでなく他の国にも新たな挑戦を抱かせることになりかねない」と指摘した。これに先立ち、1月末にウクライナは西側からM1エイブラムス(米国)とレオパルト2(ドイツ)など主力戦車の支援を引き出している。現在はF16など戦闘機まで要請している状況だ。これに対し「現代版ナチズム」としながら猛非難してきたロシアの危機感が大きくなっているだけに、ドローンへの依存度は今後さらに高まるだろうという専門家らの見方が出ている」

 

ロシアは、持ち駒の武器の大半を失っている。ドローンの大量生産で、ウクライナ軍を混乱させる計画であろう。

 

(4)「一方、西側の制裁を受けているロシアは、イランだけでなく中国などからも軍需装備を調達している。4日には中国国営防衛産業事業者が戦闘機部品などをロシアに輸出してきた事実が確認された。イランとの協力はますます強化する傾向だ。ドローンを提供する見返りとして戦場で捕獲した西側の兵器をイランに渡して複製品を作らせるよう助ける一方、1月末には両国の銀行間通信網連結にも合意した。両国とも西側の金融網から事実上締め出された状況だ」

 

ロシアは、イランとの関係強化で「生き延びる道」を模索している。プーチン氏は、ウクライナ侵攻長引かせて、中国の台湾侵攻と「合流」させる戦略を立てているのであろう。これが、プーチン氏の唯一の「戦略」かも知れない。

 

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2023-02-02

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