イスラエルによるハマスへの空爆は、人的被害を増やしており国際問題となっている。イスラエル国内の最新世論調査でも、45%が停戦案を支持した。ハマスも、人質解放の条件に停戦を打ち出している。イスラエルが、空爆から陸上戦へ移った場合、さらなる被害拡大が避けられない。
イスラエルは、陸上戦によってハマスのテロ組織を100%排除する目的である。だが、全長48キロメートルに過ぎないガザに、最大で地下80メートル・総延長500キロメートル以上に及ぶトンネルが掘られているという。ここを占領することは、極めて難しいことが予想される。
『ロイター』(10月27日付)は、「イスラエル部隊を待ち構えるハマス地下網 総延長500キロ以上か」と題する記事を掲載した。
イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザに侵攻するイスラエルの地上部隊を待ち構えているのは、ハマスが長い年月をかけて地下に作り上げたトンネル網だ。治安関係者や専門家によると、トンネルは総延長が数百キロ、深さが最大80メートルに達し、攻撃、密輸、貯蔵、作戦遂行時の待避所といった目的に応じてさまざまな種類があるという。
(1)「多くの専門家が、長さわずか40キロのガザに数百キロのトンネルが掘られているとの推測を認めている。イスラエルは、ガザの空路と海路を完全に掌握し、陸路についても全長72キロの国境のうちエジプトとの国境を除く59キロを支配している。そのためハマスにとってはトンネルが武器や機材、人を運ぶ数少ない手段のひとつとなっている。ハマスと他のパレスチナ人グループはガザのトンネル網について秘密にしている。しかしハマスに拉致され、最近解放されたイスラエル人のヨシェベド・リフシッツさん(85)は
「クモの巣のようで、たくさんのトンネルがあった。私たちは地下を何キロも歩いた」と証言した」
ガザの地下には迷路のようにトンネルが建設されている。日本の戦国時代の城郭のように、敵を罠に仕掛ける装置もあるようだ。まさに地下の「迷宮」になっている。
(2)「イスラエルの治安筋によると、同国による激しい空爆はハマスのトンネル網のインフラにほとんど損害を与えておらず、ハマスの海軍司令部は今週、ガザ近郊の沿岸地域を標的とした海上攻撃を仕掛けることができたという。「イスラエル側は何日もかけて大規模な攻撃を続けているが、(ハマスの)指導部はほとんど無傷で、指揮を執ることも反撃を試みることも可能だ」と、イスラエル元准将のアミール・アビビ氏は語る。「ガザの地下には深さ40~50メートルのところに都市が丸ごと存在する。地下壕や司令部、倉庫があり、もちろんそれらは1000カ所余りのロケット発射地点につながっている」と指摘」
ハマスは、地下壕に司令部や倉庫などができあがっているという。米軍が対北朝鮮軍を想定して開発した地下壕貫通爆弾や、トンネル内を爆風で破壊する特殊爆弾を打ち込まない限り、ハマスの一掃は困難だろう。人質も被害を免れない。問題は、その後にアラブと米国・イスラエルの決定的な軍事対決が引き起こされることだ。中国と立ち向かう米国が、アラブで新たな敵を作ることはしないだろう。
(3)「トンネルの深さは最大80メートルとの推定もある。ある西側治安筋はトンネル網について「何マイルも続いている。コンクリート製で、非常によくできている。ベトコン(ベトナム戦争時の南ベトナム解放民族戦線)のトンネルの10倍と考えれば良い。ハマスには建設のための時間も資金もたっぷりあった」と話す」
トンネルの深さは、最大80メートルもあるという。ベトコンの構築したトンネルの10倍はあるという。米国は、このベトコンの手強さを十分に知った。
(4)「イスラエル軍には、地下トンネルへの対応を専門とする「ヤハロム」という特殊部隊が存在する。ネタニヤフ首相も今週、ヤハロムへの期待を表明した。しかしイスラエルの情報筋によると、彼らを待ち受けている相手は手ごわい。ハマスは14年と21年の戦闘を教訓に部隊を再編成しているという。元准将でイスラエルのスパイ機関モサドの情報局長を務めた経験を持つアムノン・ソフリン氏は、数多くのわなが仕掛けられている上、ハマスの兵器は21年当時より高度化していると指摘する。ハマスはイスラエル軍兵士の誘拐も画策しているという」
ハマスが、いろいろと罠を仕掛けている。イスラエル軍兵士の誘拐作戦も準備しているという。こうなると、際限ない戦いでイスラエル経済は大きな被害を受ける。





