勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    カテゴリ: 豪州経済ニュース時評

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    フリゲート艦とは、対空(戦闘機)・対潜(潜水艦)の装備をもち、哨戒や船団護衛などに従事する、高速で機動性をもつ駆逐艦や大型護衛艦を指す。要するに、多目型軍艦である。ステルス型で、従来の軍艦イメージとかけ離れた「箱形」である。敵からの発見を避ける狙いである。

     

    今回、日本が豪州へ輸出するフリゲーと艦11隻は、戦後の「平和日本」が初めて輸出する大型商談である。戦前の日本であれば、軍艦は超秘密で囲われていた。その軍艦が、現代では豪州へ輸出される時代だ。集団安全保障という、過去の日本にはなかった「グループ平和維持」目的という新たな時代の象徴である。今日は、80回目の敗戦記念日だ。かつては日本が戦った豪州とともに、アジアの平和に貢献する時代に転換した。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(8月12日付)は、「平和主義の日本、武器輸出へ大きな一歩 豪州の三菱重工製艦艇採用」と題する記事を掲載した。

     

    オーストラリアが次期フリゲート艦の調達先として三菱重工業を優先候補に選んだ。地域の緊張が高まり、防衛装備品の供給網が逼迫するなか、日本が主要な防衛装備品輸出国を目指すうえでの大きな一歩となる。

     

    (1)「総額65億ドル(約9600億円)の三菱重工によるフリゲート艦契約は、日本政府と豪州政府が8月4日に発表し、2026年初めに最終合意する見通しだ。日本製で殺傷能力を備えた防衛装備プラットフォームの完成品を海外に輸出するのは、第2次世界大戦後、初めてだ。今後の艦艇やミサイル、レーダーシステム輸出のモデルになる可能性がある。

     

    今回の豪州へのフリゲート艦輸出は、今後の艦艇やミサイル、レーダーシステム輸出のモデルになるとされる。日本の精密技術が、平和へ貢献する。米国防総省は次世代ミサイル防衛構想「ゴールデンドーム」の説明会を開催した。宇宙空間から地上まで4層の防衛ラインを設定。宇宙空間には迎撃手段のほかに標的の早期警戒および追跡のためのセンサーが配備され、さらに高度に応じて迎撃ミサイル、レーダー、将来的にはレーザーを組み合わせた3層の防衛構造が敷かれる。このゴールデンドーム実現で、トランプ大統領が石破首相へ協力を申入れている。日本のミサイルやレーダーシステムが採用されるのであろう。

     

    (2)「日本は1960年代後半以来、技術力の高い国内産業の装備品供給を自衛隊向けに限ってきた。しかし、2014年に「防衛装備移転三原則」を定め、この実質的な武器輸出禁止措置を解除した。しかし日本は、16年に豪州向け潜水艦の供給契約(350億ドル規模)をフランスに奪われて以来、大型契約を逃し続けてきた。地経学研究所の主任研究員で元防衛省職員の小木洋人氏は、「現在の国際兵器市場には供給能力が不足しているという特徴がある」と現状を説明した。「米国は同盟国の兵器需要すべてを満たすことはできない」と同氏は述べた。「豪州は日本が提供できる能力を必要としていた」と指摘」

     

    米国製造業の能力低下が、国際兵器市場における供給能力不足を起こしている。日本が、この面で供給力をカバーできる。

     

    (3)「三菱重工は、乗員90人で運航できる「もがみ」型護衛艦の改良型を提案した。独ティッセンクルップ社の提案艦は120人を要するが、「もがみ」型はそれより大きく、豪州政府が求める長い航続距離とより大きな武器搭載能力を備えている。日本はまた、豪州の現役「アンザック」級フリゲート艦の退役による空白を埋めるため、2029年までに初号艦を納入すると保証。米海軍との相互運用性も確保できることを示した。

     

    豪州のフリゲート艦輸出商談で競合したのは、ドイツであった。ティッセンクルップ社の提案艦は120人を要したが、三菱提案艦は90人で済ませるほど自動化している。

     

    (4)「豪州政府は、日本の艦艇は初期費用こそ高いものの、兵器や人件費の低さに加え、船体寿命の長さを考慮すれば、総合的にはより低コストになると強調している。オーストラリア国立大学国家安全保障カレッジのアソシエートで、元海軍士官のジェニファー・パーカー氏は、日本のフリゲート艦が「設計上は明らかに豪州にとって最良の艦艇だ」と述べた。日本は現在、オーストラリア、英国、米国の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」の第2の柱の下で、自律型無人潜水技術の協力対象として検討されている。これを踏まえ、米シンクタンクのハドソン研究所日本部門の村野将上席研究員は、フリゲート艦建造に日本が選ばれたことは、東京とキャンベラがステルス技術分野での協力を深化させる可能性が高く、そうした観点から「より広範な意義」があると述べた」

     

    今回の豪州へのフリゲート艦輸出が、日豪のステルス技術分野への協力に発展するとみられる。

     

    (5)「日本側はすでに英国、イタリアと共同で戦闘機を開発しており、3ヶ国は開発費を回収するため国際販売を目指している。日本はまた、先進的な防空ミサイルや宇宙技術でも高い能力を持ち、いずれも有力な輸出者候補になっている。日本は23年、武器輸出規則を改正し、米国へのパトリオット防空ミサイル輸出を可能にした。これにより、米国は自国の備蓄をウクライナに供与できるようになった。ただ、憲法で平和主義を掲げる日本にとって、武器輸出は依然として政治的に敏感な問題だ。致死性兵器の輸出が認められるのは、輸入国が武力紛争に関与していないなど、一定の条件を満たした場合に限られる」

     

    日本は、すでに米国へパトリオット防空ミサイル輸出を行なった。これにより、米国はウクライナへパトリオットを供与可能になった。日本の防衛技術の高さが証明されている。

     

     

     

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    豪州海軍が導入を計画する次期フリゲート艦は、日本の三菱重工が受注することになった。日本政府は、豪州と共同開発・生産を認める方針。護衛艦では初めての防衛装備移転の案件となる。豪州政府は、100億豪ドル(およそ1兆円)を投じて新型の汎用フリゲート艦を最大11隻導入する計画だ。最初の艦艇を2029年に受け取りたいとしている。11隻のうち大半は、豪州で建造することを目指す。

     

    安倍政権時代、豪州からの潜水艦受注で日本側が有利とされていたが、結果はフランスの受注となった。当時、なぜかと話題になった。この裏には、中国スパイが暗躍したとして大きな事件になった。中国が恐れたのは、日本の「静謐性」に優れた潜水艦を豪州が保有する脅威であった。中国スパイは、豪州議会で賄賂戦術を使いフランス製受注へ決めさせたもの。豪州政府は、前回のこういう事態があったので、今回は日本へ「配慮」したのでは、とみられている。

     

    日本は、「もがみ」型護衛艦を原型とする新型艦を豪州へ輸出する。米国製の装備品も搭載する方針だ。豪州は、日本の護衛艦を選定したので、護衛艦整備のデータ共有が可能になる。この結果、新型艦の整備がよりしやすくなり、相互運用性の向上も見込まれている。

     

    『日本経済新聞 電子版』(8月4日付)は、「オーストラリア次期フリゲート艦、日本製採用へ 初の輸出案件に」と題する記事を掲載した。

     

    豪州海軍が導入を予定する次期フリゲート艦を巡り、豪州政府は日本の提案を採用する方針を固めた。今後、三菱重工業などと交渉して詳細を詰め、年内の契約締結を目指す。日本にとって初の護衛艦の輸出案件となる。豪州政府幹部が日本政府関係者に伝えた。日本による完成品の装備品輸出はフィリピンへの警戒管制レーダーに次いで2例目となる。

     

    (1)「豪州政府は4日、首相や一部の閣僚で構成する内閣国家安全保障委員会(NSC)を開き、日本の提案を採用する方針を確認した。最終的な価格などについて、建造する三菱重工業と交渉を進める。契約締結後、2029年に最初の艦艇を受け取る意向だ」

     

    29年に最初の艦艇を引き渡す予定だ。日本側は、2艦艇を同時に建造できるとしているので、日程的には楽なスケジュールであろう。

     

    (2)「候補には、三菱重工業が建造する海上自衛隊の「もがみ型」護衛艦の改良型とドイツのティッセン・クルップ・マリン・システムズ(TKMS)が開発する「MEKO A200」があがっていた。日本は護衛艦の輸出実績がなく、豪メディアによると価格もドイツよりも2割以上高いといった弱みがあった。一方で、ステルス性に優れるなどの機能性の高さや、従来艦より少ない90人程度で運用できるといった強みを売り込んだ。日本側は、艦艇の維持や運用にかかる人員コストは就役期間全体を投じて3割削減できると訴えた」

     

    今回、受注した「もがみ型」護衛艦の改良型は、ステルス性に優れるなどの機能性の高さや、従来艦より少ない90人程度で運用できる点が評価されたとみられる。

     

    (3)「豪州政府が重視したのは迅速な引き渡しだ。日本勢は年に2隻建造できる能力があると説明した。1月には自衛隊制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長(当時)が豪公共放送ABCに対し、改良もがみ型が選定されれば、「豪州への引き渡しを最優先する」と明言した。中国が海洋進出を強め、インド太平洋地域での日豪連携は重要性を増す。日豪で共通の艦艇を利用することで、補修拠点などを相互に利用できるようになり運用の柔軟性が高まる。豪州は最初の3隻を海外で建造し、残りを豪州南西部パース近郊のヘンダーソン造船所で建造する方針だ。今後、現地企業との連携など、豪州での製造体制確立に向けた協議も本格化する」

     

    日豪で、共通の艦艇を利用することにより、補修拠点などを相互に利用できるなど、日豪が米国を中心に協力関係を強化する。

     

     

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    日本政府は英国、イタリアと共同で開発する次期戦闘機を豪州へ輸出する検討に入った。インドとカナダも関心を持っているという。武器取引は、部品やアフターサービスなどで超長期の取引関係が生まれる。これは、安全保障面での「協力体制」確立に役立つもの。日本が、初めて本格的な武器輸出によって周辺国との協力関係強化へ動き出す。

    『日本経済新聞 電子版』(5月9日付)は、「次期戦闘機の輸出、豪インドと交渉へ 共通装備で『準同盟』強化狙う」と題する記事を掲載した。

    日本政府は英国、イタリアと共同で開発する次期戦闘機をオーストラリアに輸出する検討に入った。インドとカナダも関心を持つ。共通の装備品を導入すれば訓練や機材の購入などで協力が密になり、安全保障面の関係が深まる。世界が不安定になるなか「準同盟」の枠組みを広げる狙いもある。


    (1)「次期戦闘機は、航空自衛隊の「F2」や英国とイタリア両軍が運用する「ユーロファイター・タイフーン」の後継にあたる。2022年12月から日英伊3カ国の計画が動き出した。日本の三菱重工業、英国のBAEシステムズ、イタリアのレオナルドなどと官民で開発し、35年までの配備をめざす」

    次期戦闘機は、日英伊の三カ国による共同開発である。これによって、各国の経済的な負担の軽減と輸出先の多様化をはかる。

    (2)「日英伊の政府や防衛産業は最近、豪州など輸出検討先との協議を始めた。豪州の国防省は日本経済新聞の取材に「豪空軍関係者が日英伊から次期戦闘機に関する説明を受けた」と認めた。豪州は、米英と安保協力の枠組み「AUKUS(オーカス)」を設けているため、日英伊と協力しやすい。さらにAUKUSは次期戦闘機と連携する無人機について共同研究を日本に打診している。協業の余地が大きい。日本にとって豪州は「準同盟」国だ。自衛隊が他国の艦艇などを警護する「武器等防護」の対象となっている。海洋進出を強める中国を念頭に、より強固で長期的な防衛協力をめざしている」

    日英伊にとっては、先ず豪州が有力な輸出先候補である。日豪関係は、「準同盟」国と言える密接な関係にある。英豪は、同盟国である。AUKUS(米英豪)は、無人機について共同研究を日本に打診している関係にある。「持ちつ持たれつ」の関係なのだ。


    (3)「豪州以外の国からも次期戦闘機への関心が寄せられている。日本政府は2月、「友好国」のインドに次期戦闘機の導入を打診した。友好国は準同盟国に近い位置づけで、インドとは物品役務相互提供協定(ACSA)などを結ぶ。インドは、これまでロシア製の戦闘機を主に運用してきた。日欧と共通する装備品の取得によって、従来よりも対中国・ロシアの陣営へ接近する可能性もでてくる。インドとの関係は、主に日米豪印の協力の枠組み「Quad(クアッド)」が中心だった。防衛省幹部は「外交的側面が強かったクアッドを安保でも進めなくてはいけない」と話す。カナダも候補に浮上する。英国のイーグル国防調達・産業担当閣外相は4月1日、「カナダを開発計画に迎え入れる考えがあるか」との議会での書面質問に「日英伊は他国との協力に前向きだ」と回答した」

    インドも有力な売り込み先である。インドは、これまでロシア製の戦闘機や武器などを運用してきたが、米印両国は共同で武器生産へ踏み切るなど状況が大きく変化している。この流れのなかで、日本がインドへ次期戦闘機の売り込みを図っても当然であろう。


    (4)「サウジアラビアも、「パートナー」国の立場で機材の購入や開発資金の拠出を検討している。サウジは、できるだけ開発計画へ関与することを求めていたが、4月に開いた日英伊とサウジの協議で形態にこだわらない姿勢を示した。共同製造や整備などを担うことを探る。各国が興味を持つ背景には、トランプ米政権の発足がある。今後も米国が世界の安保体制に関与し続けるかどうかに懸念があるためだ。万が一の代替策として米国以外を模索する」

    「金満国」サウジアラビアは、機材の購入や開発資金の拠出を検討している。サウジは当初、開発計画への関与も希望したがこれは取下げた。

    (5)「日英伊からみれば、戦闘機の輸出先の拡大は共通の装備基盤を持つ同志国の増加につながる。部品などの融通もしやすくなり、地域を超えた防衛力や抑止力の向上が期待できる。製造機数が増えると1機あたりの製造単価も抑えられる。次期戦闘機の製造の採算ラインは500機ほどとされる。日英伊は他国への輸出分を足し合わせて超える計画だ。米国の防衛産業の混乱も日英伊には追い風となる。ボーイングは開発遅延で損失計上が相次ぐ。ロッキード・マーチンが製造する「F35」も生産が遅れ、24年度中に航空自衛隊向けに届くはずだった9機が期限内に納入されなかった」

    次期戦闘機の製造の採算ラインは500機ほどとされる。日英伊は、他国への輸出分を足し合わせて超える計画だという。これで、赤字を免れる。世界に広がる日英伊の次期戦闘機は、安全保障の輪を広げる副次的効果が期待される。



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    中国の外交戦術は、きわめて感情的である。相手国と摩擦が起これば、すぐに報復する「戦狼外交」を展開する。これによって、相手国を屈服させようとするので、中国と真に友好関係を結ぶ先進国は存在しない。豪州もその一つだ。かつての豪州と中国の関係は密接であった。それが、2020年のコロナの発生源調査を巡って中豪関係が悪化し、中国の豪州への経済制裁になった。 

    米経済誌『forbes・com』(12月11日付)は、「中国を襲う『因果応報』、対オーストラリア高関税で代償払う」と題する記事を掲載した。 

    話は2020年の新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に至るまでの数年間から始まる。当時、中豪の貿易関係はかつてないほど緊密だった。これは自然な流れで構築されたものだ。豪州は農業と鉱業が盛んで、かたや中国は豪州が提供できるものを必要としていた。豪州産の石炭と鉄鉱石は活況の中国の鉄鋼産業に、綿花は中国で急成長中の繊維産業に供給された。そしてワインは、中国で急増していた富裕層の食卓を飾った。そうした輸出と引き換えに、豪州は玩具からコンピューターに至るまで、中国で製造されたさまざまな物品を輸入。豪統計局によると、2020年には豪州輸出のほぼ半分は中国向けだった。豪州経済は中国の購買力に依存していると言っても過言ではなかった。

     

    (1)「この関係が2020年に突然崩れた。当時の豪首相スコット・モリソンが新型コロナウイルスの発生源について国際的な調査の実施を求めたところ、中国の指導部が反発。中国は豪州に圧力をかけることを決めた。中国が自国の経済と国民を統制する際の常とう手段である指揮統制方式に従い、100〜200%、あるいはそれ以上の厳しい関税を豪州産の製品に課すことで、豪州を窮地に追い込むよう命令が下った」 

    中国は、秦の始皇帝が統一事業を成し遂げた手法である「威嚇」と「戦争」という強硬手段を現代もなお使っている。2300年前と時代背景が異なることへの理解がないのだ。こうして、豪州へも同じ手を使い失敗した。 

    (2)「豪企業は困難な状況に陥り、新たな市場を早急に見つける必要に迫られた。豪企業は損失に苦しんだが、中国の高圧的な行動から数カ月後には中国に代わる輸出先を見つけた。石炭と鉄鉱石はインドで成長中の鉄鋼産業に、綿花は進歩が著しいベトナムの衣料・繊維産業に供給された。穀物生産者はさらに遠くへ製品を輸出し、サウジアラビアで利益の上がる契約も獲得した。ワイン業界は北米と日本に活路を見出した。その結果、中国へのワイン輸出額は過去最多となった2020年の7億7000万ドル(約1115億円)から昨年は500万ドル(約7億円)にまで落ち込んだ」 

    中国へ反感を持っている国々は、一斉に豪州の苦境乗り切り策へ協力した。世界は広いのだ。捨てる神あれば拾う神ありである。

     

    (3)「中国経済は今、3年前に中国が豪州を酷い目に合わせようとしたときに考えられていたほど影響力があるわけでもなければ、傑出した存在でもない。北米や欧州、日本への輸出が減少するなか、中国の指導部は新しい貿易関係を開拓し、昔からの貿易関係を回復させることに積極的になっている。このため中国は、モリソンの後任であるアンソニー・アルバニージーが先月行った豪首相としては7年ぶりの中国訪問を前に、3年ほど前に課した関税を緩和する考えを示した。アルバニージーは喜んでいるが、豪企業がこれを受け入れるとは思えず、政府関係者、特に中国の政府関係者は失望するだろう」 

    中国は今、輸出停滞で悩んでいる。そこで、豪州貿易再開へ動き出している。ただ、中国には「恥をしのんで」という認識がないことが問題だ。経済制裁という同じ誤りを繰返している。豪州企業は、中国に代わる輸出市場を開拓しており、中国の「ニーハオ」に簡単に応じる気配話さそうだという

     

    (4)「豪企業の経営者らは、中国がオーストラリアとの関係を切り捨てたときのことを覚えている。すぐに脅迫的な手段に出た国との貿易に戻るために、新しい貿易関係を損なってもいいとは全く思っていない。豪中貿易が今後拡大することは確実で、特に中国が3年前に課した関税を緩和すればそうなるだろう。中国の経済力には、同国に最も大きく反発している豪ビジネス関係者でさえ抗えない。だが、豪州の経営者全員が重度の記憶喪失にならない限り、中国のマーケットに戻るには時間を要し、2020年のように中国に依存することはないだろう」 

    豪州は、もはや2020年当時のように中国経済への依存度ではない。「覆水盆に返らず」である。
     

    (5)「中国の高圧的な振る舞いは、過去に何度も不利益となって自国に跳ね返ってきた。南シナ海でフィリピンをいじめ抜いたことで、フィリピン政府はそれまで消極的だった態度を一変させて、安全保障面での米国との協力関係を強めた。2020年に中国が関税を引き上げたことで、豪州が防衛面で米国や英国との協力を強化するようになったのは間違いない。中国が貿易条件で妥協しようとしなかったため、米国や欧州各国の中国に対する姿勢は、ほぼ同調的で相互協力するというものから、現在では敵対的としか言いようのないものへと変化した。こうしたことは通常、アプローチの見直しにつながるが、中国の習近平国家主席と指導部はこのやり方から脱却ができないようだ」 

    習近平氏の感覚は、始皇帝と同一であろう。「飴と鞭」を用いて他国を従わせようとしているが、これは反発を買うだけだ。中国に真の友好国が存在しない理由である。全て、うわべだけの利益で結ばれた仮の「友好国」に過ぎない。

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